大学院工学研究科の大学院生が宇宙航空研究開発機構(JAXA)の技術研修生として月の研究に取り組んでいます

大学院工学研究科機械工学専攻1年次生の郭哲也さんが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所(ISAS)太陽系科学研究系の技術研修生として月の研究に取り組んでいます。郭さんは本学工学部航空宇宙学科航空宇宙学専攻4年次生から三宅亙教授の研究室に所属。三宅教授の勧めもあって、同年からISASで研究に従事してきました。郭さんが参画している研究チームは、この秋、月に巨大な地下空洞が存在することを証明して注目を集めました。

郭さんが宇宙に興味を持ったのは小学校1年生のとき。宇宙と科学をテーマとした体験・体感型学習を展開している公益財団法人日本宇宙少年団のプログラムに参加し、JAXAの研究者らから宇宙について学んだことがきっかけでした。高校の先生の勧めで本学工学部航空宇宙学科に進学すると、本学科の「東海大学衛星プロジェクト(TSP)」に1年次生のときから所属。4年次生になるとプロジェクトマネージャーとして活動を推進し、自らホームページのリニューアルや運営にも取り組みました。「TSPではこれまで学んできた衛星に関する基礎的な知識や技術を生かし、衛星に取り付ける推進器を開発したいと考えています。いわゆる宇宙ゴミを増やさないよう、使用済み衛星の軌道を変えて大気圏内で燃やし尽くすのが目的です」と抱負を語ります。

「多くの学部や学科があるのも東海大学の魅力。他学科の学生と意見を交わしながらのTSPの活動は刺激的でした。また、ISASでは東京大学をはじめ他大学の学生や大学院生と出会ってさまざまな価値観があることを学び、視野が広がりました。研究や勉学に関するモチベーションが上がったことも収穫です」と話す郭さん。現在は、月の地下空洞の探索に関する論文を発表し、日本惑星科学会をはじめさまざまな宇宙関連の学会やシンポジウムでプレゼンテーションしているほか、自身が影響を受けた日本宇宙少年団のサポートにも携わっています。「宇宙の魅力や最先端の研究成果を多くの人に知ってほしい。そして、宇宙に関する研究を発展させ、宇宙関連産業を活性化させるために、これからも研究に取り組んでいきます」と目を輝かせています。

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