KMITLの学生を対象に長谷川鉄工所と連携したインターンシッププログラムを実施しました

東海大学では5月27日から7月5日まで、静岡県富士市にある製紙機器設計開発メーカー・株式会社長谷川鉄工所と協力し、タイ・モンクット王ラカバン工科大学(KMITL)の学生を対象にしたインターンシッププログラムを初めて実施しました。高度な技術を持つ日本の中小企業でのインターンシップを希望するKMITLのニーズに応える、産学連携の新たな連携の取り組みとして実現したものです。今回はKMITL工学部電気工学科3年のウィラパット・ホントンさんとタナポン・ユタナワさんの2名が参加しました。

両名はインターンシップの事前研修として、バンコクにて2カ月間にわたって日本語の研修を受講し、インターンシップに臨みました。期間中には、設計ソフトを使った機械部品の設計やさまざまな計測機器を使った部品の計測方法などを習得。また、同社の取引先である株式会社赤阪鐵工所や金子歯車工業株式会社なども見学し、日本の中小企業におけるものづくりの現場に幅広く触れました。5日の報告会には長谷川鉄工所代表取締役会長の長谷川弘信氏や代表取締役社長の長谷川智基氏、本プログラムの企画運営に携わった工学部精密工学科の槌谷和義教授、アジア地域からの人材獲得に危機感を感じる企業やインターンシップ受け入れに関心を持つ金融機関などの担当者が参加。2名の学生が日本とタイの文化の違いや研修の成果について日本語で発表した様子に熱心に耳を傾けていました。

ウィラパットさんは、「日本の文化や生活について深く知りたいと思い、このプログラムに参加しました。これまで大学では電気工学を中心に学んできたため、機械についての知識が乏しかったのですが、今回の研修で機械設計の方法を習得し、工場運営のシステムを学べたことはとても大きな成果だったと感じています。帰国した後には、この研修で学んだことを多くの人に伝え、私自身も将来は日本企業で働きたいと思うようになりました」と成果を語りました。またタナポンさんは、「日本企業の仕事の現場に触れ、日本の文化や生活を経験できたことがなによりの収穫でした。長谷川鉄工所の社長をはじめ、社員の皆さんもとても親切で、多くのことを学ぶことができました」と話しています。

長谷川社長は、「中小企業にとって人材不足が大きな課題になっている中、東海大学との縁でインターンシップを実現できたことは会社にとっても大きな成果でした。タイ人の学生たちは気質的に日本人に似ているところもあり、日本企業との親和性も高いと感じています。インターンシップに参加した学生たちが、今回の経験を生かして、将来日本で働いてくれることを期待しています」と語りました。

槌谷教授は、「タイをはじめとするアジア諸国の大学では日本企業でのインターンシップのニーズが高まっており、日本企業でもこうした国々の優秀な人材を獲得したいとの要望が高まっています。今回のプログラムでは、本学と長年にわたって信頼関係のあるKMITLと協力し、こうしたニーズに応えるプログラムを実現できたことをうれしく思います。現在、日本の他の企業からも同様の取り組みを行いたいとの希望も寄せられており、今後もKMITLやアセアンオフィスと連携しながらプログラムの受入先を拡大していきたい」と話しています。

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