関東冶金工業の髙橋愼一社長による特別講義を行いました

工学部材料科学科では12月7日と14日に湘南キャンパスで、関東冶金工業株式会社(KYK)社長の髙橋愼一氏による特別講義を実施しました。鉄鋼材料を中心にさまざまな材料に関する基礎知識を学ぶ2年次生対象の授業「鉄鋼材料学」の時間を利用して行ったもので、本学科を中心に工学部の学生約80名が出席しました。

髙橋氏は、工業用熱処理炉の設計・製作を行うKYKの特色や技術開発、業界の現状などを紹介。KYKが取り扱う最先端の工業用熱処理炉で生産される炭素繊維業界を具体例に取り上げ、炭素繊維が宇宙・航空業界などで幅広く使われるようになるまでの技術開発の課程や世界情勢、国際分業の事例などについて製品の話を交えながら説明。今後炭素繊維が自動車に現在よりも幅広く利用されるようになればさらに普及が進むことが予想されると語りました。そのうえで、「皆さんには、次世代を担う材料は何なのかを常に考えながら勉強を続けてほしい。人の一生を一日に例えると、皆さんはまだ昼前にいます。最も仕事ができる午後1時から3時にあたるのはちょうど30代後半から40代半ば。それまでに、どれだけ修業を積み、何をできるようになっているかがとても重要です。人間が取り組むことに無駄はありません。一つのことを簡単にあきらめず、いとわずにさまざまなことに取り組んでください」とアドバイスしました。

学生からは、「炭素繊維が航空機で活用されていることは知っていましたが、実際にどのように開発されているのかを知り、まだこの分野が発展途上にあることを学ぶよい機会になりました。この分野に携わりたいという意欲が高まりました」「大学の講義ではデータに基づいて材料の特性などを学ぶ機会が多いのですが、今回の講義では企業の視点で見た可能性について語られたのが印象的でした。研究者視点でよいと感じても、実際の応用では使い道が限定されることがあるなど、複眼的な視点で見ることの大切さを学べるなど将来に役立つ授業でした」といった感想が聞かれました。

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