大学院工学研究科の瀧本さんと吉田さんが日本バイオマテリアル学会大会で受賞しました

大学院工学研究科応用理学専攻1年次生の瀧本駿さんと吉田翔太さん(指導教員=工学部応用科学科/マイクロ・ナノ研究開発センター 岡村陽介准教授)が、11月20、21日に東京・江戸川区で開かれた第39回バイオマテリアル学会で研究成果を発表。瀧本さんが口頭発表者の中から優秀な発表を行った個人に贈られる「ハイライト講演賞」を、吉田さんが「優秀研究ポスター賞」をそれぞれ受賞しました。

瀧本さんは、表皮の止血だけでなくさまざまな臓器の治療に役立つ「超薄膜のばんそうこう」の研究に取り組んでいます。これまでの研究では、厚さ60nm程度(1 nmは10億分の1 m)の薄膜を層状に貼り合わせたものの中に止血剤のたんぱく質を封入し、外部から押すことで出させることに成功。今回は、動物実験に向けたin vitro評価系でその効果を検証した結果をまとめて発表しました。また吉田さんは、表面に薬剤を封入したディスク状粒子を血栓のある場所に効果的に届けるドラッグデリバリーシステムに関する研究成果を発表。機械工学科の木村啓志准教授が開発している人体の血管内を模したマイクロ流体デバイスを使って、粒子の形状をディスク状にした場合と球状にした時の血栓への接着性の違いについて考察した結果を紹介しました。

瀧本さんは、「これまでも学会でポスター賞を受賞していますが、口頭発表での受賞は今回が初めてだったのでたいへんうれしく思っています。多くの参加者と意見を交わす機会もあり、研究の将来性や発想がユニークになるようなアドバイスをもらうことができました」とコメント。吉田さんは、「血栓は人の健康に大きな影響を与える症状でもあり、その治療に役立つこの研究は多くの人を助けられる、とても魅力的なものだと感じています。現在は粒子の大きさが1μm程度とまだ大きいため、今後は粒子のサイズをさらに小さくするなどさらに研究を進めたい」と話しています。

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