大学院工学研究科機械工学専攻2年次生の藤野さんが計測自動制御学会の学術奨励賞を受賞しました

大学院工学研究科機械工学専攻2年次生の藤野良太さん(指導教員=工学部機械工学科・小金澤鋼一教授)が2月23日に、公益財団法人計測自動制御学会の学術奨励賞研究奨励賞を受賞しました。同賞は、学会が主催する講演会・シンポジウム等の研究発表会において優れた内容の研究報告を行った若手研究者に贈られるもので、今回は2016年12月に行われた「第17回システムインテグレーション部門講演会」で発表した研究成果が評価されました。

藤野さんは、「階段昇降可能な無動力油圧システムを有する大腿義足」のテーマで発表。病気やけがなどで下肢の切断を余儀なくされた人は世界で700万人以上いるといわれており、義足への需要は年々高まっています。その一方、現在主流となっている義足は、電気信号やコンピュータ制御によって安全性を確保する手法が用いられており、専用の電源が必要になるなど不自由を迫られる欠点があります。そこで藤野さんは、電力を用いず、機械的な機構だけで動作する大腿義足を研究。独自の機構によって、階段も昇り降りできる機器を提案しました。受賞を受けて、「学部生のころから取り組んできた研究成果が高く評価され、努力が報われた思いです。機械工学科では、3年間の課程を通して機械全般にわたる知識を身に付け、機械設計の授業も受けたうえで卒業研究に臨みますが、大学院に進学して本格的に研究に取り組むようになってから学部で学んだことが随所に役立ちました。そうした知識をもとに、一つのテーマを深く考察することで医学や電気回路、測定機器の回路設計についても自ら学びつつ、課題に取り組むことの楽しさも実感できたと思います。卒業後はプラントメーカーに就職し、設計という新しい分野に挑むことになっています。また新しい分野に挑戦できることが今から楽しみです。将来は、幅広い知識を身につけながらさまざまな課題に柔軟に挑めるエンジニアになりたいと思います」と語っています。

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