原子力工学科1年次生を対象に卒業生の講演を通して将来像を考えるアクティブラーニング授業を実施しています

工学部原子力工学科では秋セメスターに開講している1年次生対象の「入門ゼミナール2」で、原子力関連の企業や研究機関で活躍している卒業生による講演会を中心に、学生自身が自ら考えながら学生生活の過ごし方や将来像を考えるアクティブラーニング授業を取り入れています。事前講義と講演会、振り返りのグループワークで構成される3回の授業をワンセットとして、計4セットで実施しています。授業では最初に、企業や研究機関の業務内容と業務に関連した専門的な技術・知識について調べる課題(これは企業講演者と担当教員の連携にて作成します。)が与えられ、学生たちはその内容を「スキルノート」および「事前課題レポート」として作成。第1回の授業ではそれぞれの調査結果を持ち寄ったグループワーク、さらに教員から不足部分や改善点について指導を受け、第2回の授業では、卒業生が企業の概要や業務に関連した専門技術等の解説、仕事をする上で必要になる資格、学生時代の過ごし方などについて実体験を交えた講義。第3回では、その内容を共有して相互の理解を深めるためのグループワーク、最後にグループごとに成果を発表する形で実施しています。

12月17日には高橋悠氏(大学院工学研究科応用理学専攻2009年度修了・日本原燃株式会社)が「原子燃料サイクルと日本原燃での私の仕事」と題して講義しました。講義では最初に、仕事において相手の要求事項をしっかりと把握し、物事を正確に理解することの大切さについて、「入門ゼミナール2」における今回の講義を事例に説明。そのうえで、学生たちが事前課題で調べてきた「核燃料サイクル」の概要やメリット、必要性、そして、それらに対応するための日本原燃(株)の業務内容などを解説しました。さらに講義の最後には、「会社員になってからの仕事でもリポートを作成する機会は多く、大学の授業で課される課題リポートで先生が理解しやすいよう工夫することでその力もついていきます。将来、どのような知識や技術が必要になるかをしっかり考え、大学生のうちにどのような勉強をしていくのかを自覚するよう心がけてください」と激励しました。

学生たちは、「核燃料再処理のサイクルについて事前課題で自分なりに考える段階では難しくて苦労しましたが、あらためて解説されたことでしっかり理解できました。社会人として気をつけるべきことや広い視野を持つことの大切さも学べました」、「先輩の経験を交えて仕事内容を知れたのがよかったと思います。この授業では手法を変えながら同じテーマについて理解を深められるので、しっかりと知識として身についていると感じています」と感想を話しています。

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