学生自身が自由な課題に挑む「学生自主研究奨励」の表彰式を開きました

工学部では1月18日に湘南キャンパスで、学生自身が設定した自由な課題に挑む「学生自主研究」の表彰式を実施しました。学生自主研究は、学生個人の自由な発想に基づく研究を応援し、課題解決力を磨く機会にしてもらおうと初めて実施したもので、今回は大学院生と学部生3名が参加しました。

学生は昨年9月にエントリーし、授業の空き時間や休日を利用して研究に取り組みました。このうち天野彩子さん(工学部応用化学科3年次生)は、「プラ板ン(スチロール樹脂)を用いた模型製作・加工の問題点」と題して応募。基礎製図の授業で課題として作成したオイルタンクの図面を、プラ板を使って再現する研究に挑戦しました。研究では、プラ板の原料である熱可塑性プラスチックの分子構造を検討。プラ板の胴部の直径よりも小さい棒に巻き付けて70度の湯につけると眞円に近い断面形状が得られることを明らかにしました。また。髙橋萌々子さん(大学院工学研究科応用理化学専攻2年次生)は、「食べ物の好き嫌いをなくす研究」に挑戦。栄養の偏りや大事な会食の場面で印象が悪くなるなどの弊害がある好き嫌いをなくすため、「慣れるまで食べ続ければよい」との仮説を立て、咀嚼してから飲み込むまでの時間と吐き気回数、瞳孔収縮率、味に対する自己評価の観点で検証した成果をまとめました。

一方、小林拓真さん(工学部機械工学科3年次生)は、「飛行機分野におけるバイオミメティクスの利用可能性についての調査研究」のテーマで応募。動物の動きを工学に応用する「バイオミメティクス」について文献とインターネットサイトを使って調査し、鳥類と魚類、ハスの葉の性質や可能性、実社会で応用されている事例についてまとめた成果を提出しました。

学生は、12月13日に行われた成果発表会で研究内容を来場者に発表。1月18日の表彰式では、学生たちに修了証が手渡されました。学生は、「自分が描いた図面通りに模型ができるのか? という素朴な疑問から始めた研究でしたが、先生や親から参考文献を借り、何度も試行錯誤をする中で、自分で調べたことを派生させていくことの面白さを実感できました。また普段、自分なりに考えた成果を多くの人に知ってもらうチャンスはあまりありませんが、成果報告会で発表したことは、自分の意見を他人に伝えることの大切さを実感する機会になりました」、「日ごろから家庭でできる実験を行っており、その一環で参加しました。発表会で実験中の苦労や思いついたきっかけを披露したところ、予想以上に多くの人に関心を持ってもらうこともできました。来年からは全学部から参加者が集い、自由度の高い自主研究の発表が行われれば面白いのではと期待も高まるイベントでした」と話していました。

工学部の大山龍一郎学部長は、「学生が在学中に自らの興味関心の翼を広げ、自由な発想で正解のないテーマを研究する機会を設けたいと実施しました。今回参加した学生さんは、私たち教員の期待以上の成果を出してくれて、彼らのような学生が増えると大学全体がさらに活性化していくと期待を持てる内容だったと感じています。将来的にはこの取り組みをさらに広げ、学生の自由な研究を学内外の人に広く知ってもらうイベントも開きたい」と話しています。

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