航空学専攻が新しいフライト・シミュレーターを導入しました

工学部航空宇宙学科航空操縦学専攻では今年度から、湘南キャンパス12号館1階にFRASCA社製のフライト・シミュレーターを新たに導入しました。エアラインパイロット養成機関である本専攻では、学生たちが2年次から3年次にかけてアメリカ・ノースダコタ大学に留学し、アメリカと日本の「事業用操縦士技能証明」と「計器飛行証明」の免許の取得と高い技倆の取得を目指しています。フライト・シミュレーターは、免許を取得した学生が技倆維持と向上さらにスキルアップを図りつつ、日本独の飛行ルールなどの習得のために活用しています。これまでも17号館にシミュレーターを設置していましたが、本専攻開設当時から10年以上が経ち、ノースダコタ大での訓練機材とも違いが生じるようになったことから更新しました。

新しいフライト・シミュレーターは、コックピット周りの計器類レイアウトがノースダコタ大で訓練機として利用しているガーミン社製G1000と全く同じ仕様で、日本全国の空港や地形の情報はもとより、またさまざまな気象条件や異常事態も再現できます。学生たちは、アメリカで修得したスキルを生かしながら、日本の環境に適応した技術をよりスムーズに習得できるようになりました。またフライト・シミュレーターの運用にあたっては、本専攻が連携している全日本空輸(ANA)のメンテナンスチームやFRASCA社などとも情報交換を行い、学生がより効率的に技術を習得できるよう、システムも改善。学生も機体の飛行諸元データ表の作成や東海大学版のフライトマニュアル作成を進めています。

就職活動に臨む学生たちは、このシミュレーターを使って計10回の訓練を行うことが義務付けられており、学生の資質や特性、希望などをもとに教員が立案したトレーニングプログラムに取り組みます。終了後にもブリーフィングを行ってさらに技術向上させるための改善点や学生の疑問点に回答することで、トレーニング効果を高める工夫も取り入れています。

坂本空さん(4年次生)は、「同じ計器飛行でも、日本とアメリカでは考え方に違いがあるのですが、先生方の指導を受けながらトレーニングを積むことで、日本のルールをしっかり習得できています。アメリカでもトレーニングは積みましたが、シミュレーターを使うと自分が理解しきれていなかったポイントなども明確になります。常に先生がサポートしてくれるので、その場で疑問点を解決できるのも重要な特徴だと感じています」とコメント。秋山悠生さん(同)は、「アメリカで乗っていた飛行機と同じ感覚で操縦できるため、訓練の回数を重ねるごとに技術が向上しているのを実感しています。また本専攻には現役のエアラインパイロットの方も教員として学生の指導に当たっており、直接指導を受けることで、操縦する際の注意点を明確に教えてくれるのもよい点だと思います。これからもしっかり勉強を続けて、将来は乗客の方に”また乗りたい”と思ってもらえるようなパイロットになりたい」と話していました。

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