臨床工学研究会を開催しました

工学部では11月30日に伊勢原キャンパスで、東海大学工学部研究会「第1回臨床工学研究会 臨床工学の現状と未来」を開催しました。近年、医療現場で高度な検査・手術用の機器が多く利用されるようになっており、医療の現場で臨床工学技士(CE)が担う役割がこれまで以上に高度かつ多様になっています。臨床工学研究会は、現状を踏まえながら今後の臨床工学技士養成のあり方を考える機会として初めて開催したものです。当日は、臨床工学技士の養成課程を持つ工学部医用生体工学科がある伊勢原キャンパスと、基盤工学部医療福祉工学科のある熊本キャンパスをテレビ会議システムでつなぎ、約50名の学生や教職員が参加しました。

当日は、初めに大島浩教授(工学部医用生体工学科)と泉隆教授(基盤工学部医療福祉工学科)が、両学科のカリキュラムの構成や特徴、学生の傾向などを紹介。大学で学んだ知識をより深く理解するための積み上げ式教育の重要性や、医療機関や企業で活躍する卒業生らによる講演会、在学生同士の交流会などを通して、学生の学習意欲を喚起する取り組みの概要を語りました。その後、北里大学の廣瀬稔教授(医療衛生学部医療工学科)が、同大の養成システムを紹介。期限付きで迎えた医療現場で活躍する臨床工学技士が教育に当たっていることや、安全管理を主体的に担う力を養成する授業の実例などを紹介しました。第2部では、医用生体工学科で電気工学や物理、数学、基礎医学、臨床実習の授業を担当する教員が、各分野の授業での学生の習熟度の傾向や改善に向けた提言などを行いました。

研究会代表の山崎清之教授(工学部医用生体工学科学科長)は、「CEの職域は今後拡大し、ニーズが年々高まっている現状を踏まえると、より効果的な教育を展開し、医療現場で活躍できる高い能力を持った学生を輩出することがこれまで以上に重要になっています。今回の研究会では、その本流である『教育』にフォーカスしましたが、さまざまな立場からの事例報告を通して、有意義な議論ができたと考えています。本日参加いただいた北里大学、基盤工学部医療福祉工学科とは今後も連携し、互いの特色を生かしたよりよい教育の実現につなげたい」と話しています。

なお同研究会では、今後も定期的に講演会やシンポジウムを開き、AIや再生医療など学生の興味・関心が高いトピックスに関する情報も発信していく計画です。

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