大学院総合理工学研究科の柏原さんが日本設計工学会の国際学会で受賞しました

大学院総合理工学研究科の柏原侑輝さん(総合理工学専攻 機械・航空宇宙コース 指導教員=工学部機械工学科・砂見雄太准教授)が、11月4、5日にオンラインで開催された日本設計工学会主催の国際学会「International Conference on Design Engineering and Science 2020」で、Best Student Paper Awardを受賞しました。この賞は、国際学会に投稿した学生の中から最も優れたアブストラクトを提出した者に送られます。

柏原さんは、 マグネシウムとレアアースの一つであるレニウムを混合し、耐熱性を高めた合金(Mg-RE合金)の加工技術について、旭東ダイカスト株式会社と共同で研究しています。この合金は、従来のマグネシウム合金に比べて軽量で鋳造しやすく、また熱を発生しにくい特性を持つため次世代自動車の材料などとして期待されていますが、加工時に不具合が起きる条件などについて未解明の点が多いのが現状です。柏原さんは、溶かしたMg-RE合金をダイカスト法で加工した時の特性について、コンピュータ・シミュレーションと加工実験を組み合わせて研究。学会では、溶かした合金をより速いスピードで金型に流し込んだ方が、より強度が高い製品を作れることを明らかにした成果を発表しました。

「この研究に携わるようになって5年目にして初めての学会賞受賞で、本当にうれしく思います。苦しい時もありましたが、そうした経験も含めて無駄な時はなかったと思いますし、その積み重ねが評価されたからこその受賞だと感じています。研究室では伝統的に、『研究は楽しめ』というモットーが掲げられています。私も常に自分なりに面白いと思える部分を見つけるよう心がけながら研究を続けてきましたが、今回の受賞ではその言葉の重みをあらためて実感しています。マグネシウム合金の加工技術は、自動車の燃費効率向上などにつながることから、自動車の経済性向上と地球温暖化対策の両面で社会に貢献できる技術だと考えています。今後もこの研究を深め、技術の社会実装につなげたい」と話しています。