「ブジデッカーPROJECT」が安否確認訓練の回答率向上を呼びかけました

東海大学では、地震等の災害発生時に学生や教職員の安否を確認するために「安否確認システム」を導入しており、教職員は毎月、学生は2カ月に1回、安否確認訓練を実施しています。大規模な自然災害が発生した際に全学生・教職員から回答を得られるよう、日ごろの訓練での回答率向上を呼びかける活動としてこのほど、教養学部芸術学科デザイン学課程の池村明生教授のゼミ生による「ブジデッカーPROJECT」が始動しました。

安否確認システムは、震度6弱以上の地震発生時に昼夜休日問わず大学から「安否確認メール」が送信され、学生や教職員がスマートフォンのアプリまたはメールで自身の安否と居場所を知らせるものです。災害時に学生や教職員の安否や所在地を迅速に確認するシステムとして期待されていますが、学生からの平均回答率はこれまで30%程度に留まっています。2016年4月に発生した熊本地震の際にも学生の安否確認に多くの日数と労力を要したことから、情報技術センターの長幸平所長(情報理工学部教授)が代表を務める「安否確認システム運用ワーキング」が啓発活動を検討。池村教授が新たに参画し、プロモーションを視覚的に訴えかけようと、池村ゼミの安藤梨佐さん(3年次生)がオリジナルキャラクター「ブジデッカー」を考案しました。

全学的なプロモーション活動を展開する前の試験として、8月の訓練で学生の回答率が16.1%だった教養学部を対象に、10月7日から11日まで10号館でプロモーション活動を実施。ブジデッカーの等身大パネルを設置したほか、池村ゼミの学生たちがチラシの入ったポケットティッシュを配布して回答を呼びかけました。安藤さんは、「ブジデッカーは、ダークヒーローをテーマに池村先生とデザインを考えました。色味はできるだけ暗くし、目の部分は安否確認システムのアプリをダウンロードするQRコードになっています。安否確認は災害時に命を守る大切なシステムなので、この活動を機に一人でも多くの学生が防災の意識を持ってくれれば」と話します。プロジェクトリーダーを務めた鈴木慶太さん(同)は、「ティッシュ配りや等身大パネルの設置で関心を持ってくれる学生が多く、他学科の友人に安否確認システムがなぜ大切なのかを聞かれ、説明することもありました。このプロジェクトに参加したことで、私たち自身も防災の大切さを学ぶきかっけになったと感じています」と振り返りました。

池村教授は、「教養学部の回答率は他学部と比べて低いので、発信する側になることでまずは本課程の学生たちの意識が変わってくれればと考えました。今回は1カ所のみでの実施でしたが、今後は湘南キャンパス内全体や他キャンパスに広げていきたい」と話します。長教授は、「これまでも回答率の高い学部への表彰を行ってきましたが、学生に活用してもらうにはイベント性を持たせたほうがいいと考え池村ゼミに協力を仰ぎました。今後はブジデッカーPROJECTを展開しつつ、さまざまな学部の特色を生かしたプロモーション活動も検討していければと考えています」と語りました。

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