美術学課程4年次生の丸田千恵さんが個展「SIDE EFFECTS」を開催しました

教養学部芸術学科美術学課程4年次生の丸田千恵さんが、10月20日から11月1日まで神奈川県小田原市のすどう美術館で「丸田千恵展『SIDE EFFECTS』」を開催しました。丸田さんは昨年8月、同館で開かれた公募展「第17回若き画家たちからのメッセージ展」で特別賞を受賞。今回の個展はその副賞として与えられたもので、約1年かけて準備をしてきました。丸田さんは、「普段から人間の行動や、その人を取り巻く環境に興味があったので、今回の個展は“副作用”との意味を込めたSIDE EFFECTS展と名づけ、二次的に起こった物事一つひとつにスポットを当てて作品を作りました」と語ります。海外や日本国内を旅する中で出合ったものや、日常生活の中で目に止まった一瞬を写真に収めて絵とコラージュさせた作品など9点で構成しました。

中でもメーンとなったのは、『デジャブ1』と『デジャブ2』。モノクロの2枚の写真を組み合わせた『デジャブ1』は、「イタリア旅行中に元々カフェだった廃墟を見て “怖いな”と思ったのと同時に、“どこかで同じような恐怖を味わったことがある”と感じました。あとになってふと、夜に道に迷って“放射線”という文字が書かれた看板を見たときに感じた恐怖と同じだと気づいたのです。それでこの2つの写真を組み合わせることにしました。実験施設の近くだったのでそういった看板があるのも不思議ではないのですが、ちょうど震災の後だったこともあり、その言葉に反応してしまったのだと思います」と振り返ります。一方で、カラフルなバリ島の2枚の写真を合わせた『デジャブ2』は、「リゾート地として皆さんがイメージする通りのきれいな海と、あまり知られていない、マーケットにゴミが散乱している写真を組み合わせました。そういう側面もあるということを伝えたかった」と語りました。

須藤一郎館長は、「昨年、公募展の入賞作品を集めて展覧会を開いたときに見た丸田さんの作品は、荒削りだけど将来が楽しみと思わせてくれるものでした。今回の個展のために制作してくれた作品を見て、1年の間にこんなに成長したのかと驚きました。大学生が当館で個展を開くのは2人目です。会期中には、先生方やご友人の方々をはじめ、本当にたくさんの方にご来場いただき、彼女の人柄のよさも感じました。これからが楽しみなアーティストです」と話します。丸田さんは、「絵を描くのが好きで美術学課程に入学しましたが、4年間の学びの中でだんだんと現代アートに興味を持つようになりました。今回の個展を自信にし、卒業後もさらに勉強して、新しい作品を作っていきたい」と抱負を語りました。

教hp報告「丸田千恵展」01.jpg

教hp報告「丸田千恵展」02.jpg

教hp報告「丸田千恵展」03.jpg

教hp報告「丸田千恵展」04.jpg