神奈川県内の高校で防災ワークショップを行いました

情報理工学部情報科学科・内田理教授の研究グループが、11月7日に神奈川県立西湘高等学校で、また11月17日に神奈川県立横須賀大津高等学校で、防災ワークショップを実施しました。これは神奈川県の「平成28年度大学発・政策提案制度」に採択された提案に基づき、県と共同で実施している「ICT活用型防災教育プログラム作成事業」の一環で行ったものです。同事業は、ICT活用型若年層向け防災教育プログラム「かながわ防災教育プログラム2018(仮称)」の策定を目標としており、平成29年度は内田教授のグループが開発した災害情報共有アプリDITS(Disaster Information Tweeting System)を使ったワークショプを県内の中学・高校5校で実施する計画を進めています。

ワークショップには内田教授のほか、工学部土木工学科の梶田佳孝教授、現代教養センターの田島祥講師、さらに大学院工学研究科、工学部、情報理工学部の学生が参加しました。最初に内田教授がDITSの仕組みや利用方法を説明した後、グループに分かれて学校の近隣でまち歩きを実施。防災倉庫や災害用指定井戸、津波避難ビル、高い塀や狭い道など、防災・減災の観点で注目すべき対象を発見した際、DITSを使ってTwitter上に投稿していきました。終了後には参加者全員でまち歩きの成果を共有しました。

内田教授は、「DITSはもともと災害発生時の利用を想定して開発したものですが、防災教育にも活用できるほか、事前に防災情報を投稿しておけば減災にも役立つなど、防災・減災のツールとして大きな可能性があることがわかってきました。また参加者を対象にしたアンケートの結果から、こうした取り組みが防災意識の向上につながることも確認できています。今後は高校生だけでなく、小学生や高齢者など幅広い年齢層にも対象を広げ、神奈川県民全体の防災意識向上につなげることで安全安心な社会づくりに貢献したい」と話しています。

DITSとは
Twitterを活用し災害時に各地の被災状況などをより簡単かつ効果的にできるように開発したアプリケーションです。DITSを通してTwitter上に投稿すると、自動的に「♯救助」「♯〇〇市災害」などのハッシュタグとGPSから取得した位置情報が付与されるようになっています。投稿を地図上に表示するアプリ「DIMS (Disaster Information Mapping System)」と連動しており、DITSを経由して投稿された情報のうち、閲覧者の近隣で投稿されたものだけを表示させることが可能になっています。DITSとDIMSはすでに一部の自治体で市民を交えた防災訓練などに活用されています。

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