三佐川亮宏教授が第108回日本学士院賞を受賞しました

文学部歴史学科西洋史専攻の三佐川亮宏教授が、2018年度の第108回日本学士院賞を受賞いたしました。日本学士院(塩野 宏院長)が3月12日に発表したもので、授賞式は6月に東京・上野の日本学士院で開かれます。

日本学士院賞は、1911年(明治44年)に創設され、学術上特に優れた論文、著書その他の研究業績に対して贈られています。日本の学術賞としては最も権威ある賞とされ、2018年度で108回を数えます。授賞式は、1949年(昭和24年)以来天皇陛下の行幸を、1990年(平成2年)からは天皇皇后両陛下の行幸啓を仰いで挙行されています。

三佐川教授は、北海道大学文学部史学科西洋史専攻を1983年に卒業後、同大学院文学研究科西洋史学専攻修士課程を1986年に修了。1987年から1990年の間、ドイツ学術交流会(DAAD)の給費留学生としてボン大学に留学しました。1994年に本学文学部講師として着任し、准教授を経て2009年から教授に就任しています。2011年には北海道大学大学院文学研究科において博士号(文学)を取得しました。また、2011年から2012年の間、ウィーン大学オーストリア史研究所、ベルリン・フンボルト大学比較中世史研究所に客員研究員として滞在しました。

専門分野はドイツ中世史で、今回の受賞は、上記博士論文を基にした『ドイツ史の始まり―中世ローマ帝国とドイツ人のエトノス生成』創文社、2013年に対して与えられました。ドイツ民族の形成を中世ローマ帝国を枠組みに多角的に論じる視点と、膨大な史料を駆使した文献実証主義的方法が高く評価されたものです。

三佐川教授は、「留学時代の1989年にベルリンの壁崩壊事件を目の当たりにし、ドイツ人の複雑なアイデンティティ問題を、中世の過去にまで遡って研究しようと考えました。地道な研究内容ですし、学問的にもまだまだ発展途上ですが、このような権威ある賞を授けられたことに大変感謝しています」と語っています。

なお、三佐川教授は、学園の学術研究の向上と発展、研究人材の育成を期することを目的とし、人文・社会科学から自然科学にわたる全分野の基礎から応用までのあらゆる学術研究に関して、優れた研究を行った研究者に授与される「松前重義学術賞」も2016年度に受賞しております。

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