「ことば」の魅力や使い方を学ぶ「ことばの世界」を開講しています

文学部では、「ことば」の魅力や使い方を学ぶ教養科目「ことばの世界」を開講しています。本学部が教育の柱の一つに据えている「ことば」の表現方法やコミュニケーションの面白さについて集中的に学ぶ機会として、1年次生を対象に開いている講義です。文章表現・コミュニケーションインストラクターの山田ズーニー氏や小説家の辻原登教授(文学部文芸創作学科)のほか、文学やコミュニケーションについて研究する教員が講師を務めています。

授業では、グループワークを積極的に取り入れているのも特徴で、山田氏による講義では、4回にわたってコミュニケーション法を学ぶプログラムを実施。安達原達晴講師(日本文学科)が担当した授業では、7月5日の初回に手紙文の書き方を実践的に学んだ後、12日の授業で恋文の歴史について講義。クイズを織り交ぜながら、古代には家族にも回覧されることが前提で文面だけでなく紙の選び方や結び方まで気を使っていたのに対し、郵便制度が導入されるにしたがって個人と個人でやり取りするものに変化して行った歴史を中心に紹介しました。また、映画や大衆音楽を例に挙げながら戦後からPCでのメールが誕生するようになる変化について解説し、最後に「恋文に定型はありませんが、時代に応じてさまざまな工夫がされてきました。文字以外にも多様な情報が交換されている恋文を通じて、手紙が持つ文化としての側面も感じてもらえれば」と語りました。講義終了後には学生たちが、「恋心を相手に伝えるとき、手書きの手紙がメールよりも優れていると思われている点」について書く課題に挑戦。講義の内容を踏まえながら、それぞれの考えを熱心に記入していました。

学生たちは、「他の授業では聞けない内容ばかりで、新しい視点から学べていると実感しています。またグループワークが多いので、講義の内容を理解しやすいとも感じています。今後の勉強や生活でも大いに生かせると思います」、「グループワークでは積極的にコミュニケーションを取る姿勢が求められるので、人と話す訓練にもなっています。文章の書き方は就職活動でも生かせるので、今の時期に受講できてとても良かった」と感想を話していました。

授業の運営を担当する文明学科の村田憲郎教授は、「先生方の専門分野の講義と表現に関する実践活動を通して、学生には自己の考えや思いを表現する楽しさ、喜びを感じてもらうことを第一に考えています。『わかりやすく伝える』という、知識の単なる詰め込みとは別の意味での教養をしっかり身につけ、積極的に表現してもらいたい」と話しています。

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