「2017年度三河フィールドコンソーシアム 市民セミナー」を開催しました

海洋学部では、3月11日に愛知県・西尾市幡豆公民館大会議室で「2017年度三河フィールドコンソーシアムによる市民セミナー」(主催:三河フィールドコンソーシアム)を開催しました。本学部では総合地球環境学研究所エリアケイパビリティープロジェクトと、西尾市や東幡豆漁業協同組合と協力して、2009年から「幡豆プロジェクト」と題して幡豆町の沿岸海域の自然や社会の変遷や現状を、生物学、生態学、考古学、社会学といったさまざまな視点から多面的に調査研究し、年度末には毎年現地で報告会を開催しています。昨年度の報告会では、三河湾沿岸をフィールドに研究活動を展開している研究者らとより協力・連携できるように「三河フィールドコンソーシアム」を立ち上げました。

当日は市民やコンソーシアム関係者約30名が参加しました。海洋学部の川崎一平副学部長の開催あいさつに続いて、特別公演として愛知大学地域政策学部の印南敏秀教授が登壇。「三河湾の里海文化」をテーマに、三河湾で育まれてきた串あさりやシラウオといった魚食文化や漁具、自然管理などについて話しました。その後、東海大学大学院海洋学研究科海洋学専攻の脇幸輔さん(1年次生)が、本学部が行っている干潟での実習授業や、モニタリング資料としての価値を説明し、北海道大学学術研究員の井坂友一氏が、北大厚岸臨海実験所でのアマモ場の調査や生態系での役割について解説しました。また、豊橋技術科学大学の加藤茂教授がRTK-GNSS(Real Time Kinematic – Global Navigation Satellite System)やドローンを使った干潟での測量について、総合地球環境学研究所の石川智士教授が三河フィールドコンソーシアム立ち上げの経緯と果たす役割について説明しました。

参加者からは、「三河湾でも行われるようになった下水処理によるリンの季節別管理のアマモや貝にもたらす影響は?」「実習で底生生物を調査するときに採泥する深さと生物分布の関係は?」といった質問が上がりました。最後に、これまで東幡豆地区での研究活動をさまざまな形でサポートしてきた東幡豆漁業協同組合の石川金男氏が組合長を退任されたため、花束を渡して閉会しました。

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