「海の不思議にふれる―望星丸は海の上の実験室―」を開催しました

海洋学部では、7月30日に静岡市清水区の巴川河口の岸壁を発着点に、駿河湾内で東海大学の海洋調査研修船「望星丸」(国際総トン数=2174トン)を用いて、中高生を対象とした「海の不思議にふれる―望星丸は海の上の実験室―」を開催しました。独立行政法人日本学術振興会が募集したプログラム「ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~KAKENHI」(代表者=本学部海洋地球科学科・轡田邦夫教授)の採択を受けて実施したもの。大学で活躍する第一線の研究者やその研究成果を体感することで、科学の面白さを感じ、学術と日常生活とのかかわりについて深く理解してもらうことを目的としています。

当日は、静岡県内だけでなく、東京や長野、愛知から44名の中高生とその保護者が参加しました。岸壁を出発し、駿河湾内を航行しながら開講式を実施。轡田教授がプログラムの概要について説明した後、「船のしくみを探ろう」と題して、本学部の学生らの案内で3班に分かれて船内を見学しました。その後は甲板に出て、轡田教授や千賀康弘教授、成田尚史教授、小松大祐講師、澤本彰三元非常勤講師らの指導のもと、「稚魚ネット」を使って採取したプランクトンを観察。昼食後には、顕微鏡でプランクトンをより詳しく観察したほか、赤、青、白の円盤を海の中に降ろしていくとどの色が最後まで見えるかを実験したり、水槽に着色された液体を流して海の流れの仕組みを学んだりしました。「海水の性質を知る」と題した実験では、「CTD(Conductivity Temperature Depth)」を使って海面から1000m、450m、10mの水をくみ上げ、実際に自分の手や舌で水温や塩分濃度の変化を探りました。さらに、発泡スチロールのカップが水深1000mでどのように変化するかを調べたほか、海底から採取した泥にも実際に触れて観察しました。修了式では参加者全員に「未来博士号」を授与し、「CTD」で採取した海洋深層水などもプレゼント。轡田教授は、「海の中のことを勉強すると、得られることがたくさんあります。今日の経験を大切にして、海に親しんでください」とあいさつしました。

参加者たちは、「海の近くに住んでいるのに知らないことがたくさんあり、とても有意義な時間を過ごすことができました。海の中に沈めると、見えなくなる色があることに驚きました」「海面から10mの水は温かいのに、1000mの水はすごく冷たくてびっくりしました。いろいろな実験ができて楽しかったです」「子どもは海が好きなのですが、なかなかこういった船に乗る機会はないので、とても楽しみにしていました。来年以降も続けてほしい」といった声が聞かれました。

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