海洋研究開発機構と包括連携協定を締結しました

東海大学では12月22日に、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)と包括連携協定を締結しました。同日、静岡県静岡市清水区の清水マリンターミナルビル会議室で締結式を行い、本学の山田清志学長とJAMSTECの平朝彦理事長が協定書を取り交わしました。今回の協定は、双方の連携・協力を促進することで、わが国の海洋分野をはじめとする学術および科学技術の振興と、教育の発展に重要な役割を果たせるとの意見が一致し、締結に至ったものです。

これまでも本学は海洋学部を中心として、同機構と協力関係を構築し、研究活動を推進してきました。「マイクロプラスチック」と呼ばれる、海に漂う微細なプラスチックごみの対策や、同機構の所有する学術研究船「白鳳丸」に本学の教員・学生が乗船しての水中光の光学観測、珍しい深海魚の採取など多くの成果を挙げています。また、東日本大震災で被害を受けた三陸沿岸域の海洋環境調査を行い、その結果を地域に還元するため、岩手県立陸前高田高校の生徒を対象に出前授業も実施。さらに本学大学院海洋科学研究科と同機構とで連携大学院を開設するなど、人材育成の面でも協力関係を構築してきました。

この度の包括連携協定の締結により、双方の有するネットワークの一体的な活用が可能となり、教育・研究活動がこれまで以上に活発化することが期待されています。具体的には、①海洋観測ロボティクスの技術開発、②海と陸を連ねた地球観測衛星画像等の情報解析の推進、③駿河湾の海洋分野における総合的なテストフィールド化などを構想しています。

締結式に臨んだ山田学長は「海洋学部は東海大学の象徴の一つであり、創立者・松前重義博士は『海洋立国』を標榜していました。その理念に資する活動を、今回の協定締結を機にさらに加速させていきたい。学園は今年建学75周年を迎え、100周年に向けて新たな船出をした。北は北海道から南は九州・沖縄・西表まで、学園各機関のすみずみまで、協定の効果が波及できるように尽力していきたい」と期待を込めました。また、平理事長は、「東海大学はわが国の海洋研究において中核的な役割を果たしており、これまでも深く交流してきました。今回の協定でその範囲がさらに広がることになります。地球、海、人間、生命など、さまざまな学問分野を総合的に組み合わせていくことが、未来を切り開く道につながると確信している。そのために幅広いリソースを持つ東海大学と、本機構の特化したノウハウを組み合わせていきたい。さらに、当事者である2つの機関だけでなく、静岡市における海洋科学の発展、振興に大きな役割を果たすことができると確信しています。全力をあげて地域への還元をしていきたい」と決意を述べました。

締結式には静岡市の田辺信宏市長らも来賓として出席。田辺市長は祝辞で、「今回の協定締結に立ち会うことができて、身震いするような気持ちです。世界をリードする活動へと発展するであろう連携を、地元として下支えする、素晴らしいミッションを与えていただきました。両機関とともに、未来を担う子どもたちに、海を愛する心、環境意識などを教育していきたい。2019年は清水開港120周年にあたることもあり、市民とともにその機運を高めていきたい」と熱い思いを語りました。

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