第1回「がん治療の最前線」講習会を開催しました

医学部では、1月10日に第1回「がん治療の最前線」講習会を開催しました。この講習会は、文部科学省採 択事業である「がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン―高度がん医療開発を先導する専門家の養成―」の一環として開催したものです。がんは、日本人の 死因第一位の疾患であり、その治療に携わるプロフェッショナルを養成することは、社会的にも急務な課題です。この講習会は手術療法、放射線療法、化学療法 その他のがん医療に携わるがん専門医療人の養成を目的に実施したもので、看護師や薬剤師など地域の医療従事者が参加しました。

当日はまず、小林広幸大学院医学研究科長が「東海大学では放射線治療や化学療法の先進的な治療を行っています。これらの治療方法は腫瘍組織だけ、細 胞だけに標的を絞る治療であるという点で、患者さんに対して負担が少ないという特徴があります。先進治療を必要とする患者さんの紹介など、地域で連携して いきましょう」と開会の挨拶をしました。

続いて、放射線治療科学の国枝悦夫教授が「放射線治療におけるチーム医療の推進」をテーマに講演。放射線照射後に腫瘍が縮小していくなど、映像を通 して治療の効果を見たうえで、外科手術以外にもがんの治療法の選択肢が増えている現状について語りました。また、放射線治療ができる臓器に対しては標的に 高精度な治療を行えるため、障害が少なく高齢者にも対応できる一方で、施設の地域差や治療成績のデータ不足、専門家不足といった今後の課題も説明しまし た。その後の院内見学では、最先端の機器とその操作などを視察しました。

休憩を挟み、血液・腫瘍内科学の安藤潔教授が「血液腫瘍の分子標的治療」について講演。白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫のそれぞれについて発症原因 となる細胞と、薬がその細胞に対してどのように作用し治療につながるのかなどについて説明しました。こうした治療を取り入れることで入院しなくても外来だ けで済み、患者さんが社会生活を継続できるとメリットなども紹介しました。参加者はその後、外来科学治療室で治療の流れの説明を受け、治療用チェアに座っ たり、設置パンフレットを手に取って熱心に読んだりする姿が見られました。

参加者からは、「勤務先の医院ではこうした先進的な機器を見る機会はなかなかないので、ありがたいです」「がんというと手術で取り除くしかないと考 えていましたが、今は通院で治療できる方法もあることを知り勉強になりました。治療室に大きな窓があって明るいのも印象的でした」といった声が寄せられま した。

第1回「がん治療の最前線」講習会を開催しました

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