医学部付属病院がタイの生体工学技士(BME)を対象に研修を実施しました

医学部付属病院が今年8月から進めていた、タイ・ランシット大学医用生体工学部の卒業生らを対象とした今年度の生体工学技士(Biomedical Engineer=BME)研修プログラムが、このほど終了しました。この研修は、「日本の臨床工学技士制度を通じたタイ型生体工学技士制度の充実に向けた人財育成協力」と題し、国立国際医療研究センター国際医療協力局の「医療技術等国際展開推進事業」の採択を受けて実施したものです。本病院の医師や臨床工学技士、医療機器メーカーの技術者らが講師を担当。研修生10名が2グループに分かれ、本病院とランシット大学を拠点にそれぞれ5日間の講義や実習を行いました。

本病院を拠点とした研修は、第1グループが10月21日から25日まで、第2グループは12月2日から6日まで実施。医師や臨床工学技士が、透析装置や体外循環装置、内視鏡、心電計、シリンジポンプといった最新の医療機器の保守管理や運用、多職種によるチーム医療などについて講義し、メンテナンスや操作方法を指導しました。また、近隣にある医療機器メーカーの技術者から指導を受けたほか、医学部付属八王子病院を視察しました。

研修生からは、「多くの希望者がいる中、参加できたことをうれしく思います。自分が勤める病院には設置されていない医療機器にも触れることができました。導入について上司や経営陣に提言したい」「日本の臨床工学技士の業務や制度を学べてよかった。タイでもBMEの地位向上を図り、医療安全の向上につなげたい」といった感想が聞かれました。また同行したランシット大学の教員からは、「本研修の実現は、東海大学とランシット大学との長期間にわたる交流のたまものです。研修生がそれぞれの病院で、研修の成果を生かしてれくると期待しています」「安全性を重視した機器や保守管理だけでなく、病院の災害対策についても感銘を受けました。多くの病院に広めたい」などと話していました。

研修生の指導にあたった診療技術部臨床工学技術科の原田潤平係長と深町和彦技士は、「研修生が技士長クラスの皆さんだったため、より実践的な研修を目指して事前にタイを訪問し、現状やニーズを把握して研修計画を策定しました。医療機器に関することのみならず、医療安全の重要性や多職種によるチーム医療といった、医療制度全体の充実につながるプログラムが実施できたと思います。“患者さんの医療安全を守り、医療の質の向上に資する”という共通のゴールを目指し、さらに連携を深めたい」とコメント。診療技術部の川又郁夫部長は、「先方との交渉や研修計画の策定、指導などを通じて視野が広がり、技士としての業務の充実はもちろん、仕事に対する意識の向上やスタッフ同士のサポート体制の強化が図られたと感じています。本研修は、タイのBME制度の充実や人財育成に貢献するとともに、本病院の診療技術部全体のレベルアップにもつながりました。今後も継続できればうれしい」と話しています。

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