医学部付属病院が認知症啓発イベント「認知症を知ろう」を開催しました

医学部付属病院では9月12日に、認知症の啓発イベント「第1回 認知症を知ろう」を開催しました。世界保健機関(WHO)が制定した9月21日の「世界アルツハイマーデー」を前に、一般の人々に認知症への理解を深めてもらおうと、認知症疾患医療センターの認知症ケアサポートチームが企画したものです。会場の本病院東海ホールでは、認知症の種類や症状、治療法、予防法、利用できるサービスなどに関する最新情報をポスターで紹介。本チームに所属する医師や看護師ら専門の医療スタッフが個別相談に応じ、患者さんやその家族、近隣の住民ら多数が来場しました。

認知症疾患医療センターは、地域における認知症疾患の保健医療水準の向上を図ることを目的として、都道府県知事などが指定した医療機関内に設置される機関です。本病院は神奈川県初の指定を受け、2009年4月にセンターを開設。認知症の鑑別診断、診療をはじめ、医療や介護に関する相談、研修会の開催、関係機関や家族会との情報交換などに取り組んでいます。

当日は、神経内科と精神科の医師、認知症認定看護師、薬剤師、管理栄養士、作業療法士、社会福祉士らが来場者の個別相談に対応。「認知症と遺伝との関連」「薬の種類や特徴」「服薬を拒んだ際の対応」「食べてもらえる食事の工夫」「認知症と診断されたことによる不安の解消法」「在宅における介護計画」など、多岐にわたる質問や相談に回答しました。また、ホール横の会議室では、認知症疾患医療センター長で認知症ケアサポートチームの座長を務める医学部医学科の瀧澤俊也教授(神経内科)が、認知症の診断や治療に関する講義も行いました。来場者からは、「診察してもらうべきか迷っている状況だったので、相談できてよかった」「気兼ねなく、なんでも質問できました。丁寧に教えてくださったので安心しました」「今後もこうした機会を設けてほしい」といった感想が聞かれました。

認知症ケアサポートチーム専任医師として相談にあたった神経内科の今関良子講師は、「個別相談は、病院での診療とは違った視点から患者さんやご家族、地域の現状を知る機会にもなりました。この成果を今後の医療や地域連携によるサポート活動に生かしたい」とコメント。瀧澤教授は、「毎年、専門家を招いて講演会を実施していますが、個別相談会は初めての試みでした。予想以上の来場者があり、認知症相談に関するニーズの大きさをあらためて感じています。“地域における認知症疾患の保健医療水準の向上”という役割を果たすべく、今後もさまざまな活動を展開していきたい」と話しています。

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