学生がプリンス・マヒドン国際会議のラポータ―を務めました

医学部1年次生の小林誠之さんがタイのバンコクで1月26日から31日まで開催された「2015年度プリンス・マヒドン王子記念賞会合(Prince Mahidol Award Conference2016、主催:タイ国政府、マヒドン王子記念賞財団、共催:独立行政法人国際協力機構=JICAほか)で、分科会の議事録やサマリーをまとめるラポータ―を務めました。この会議は、国際保健に貢献した人物の顕彰や、国際社会における保健をめぐる重要な課題の解決に向けた議論を目的に毎年テーマを決めて開かれています。世界銀行、世界保健機関、JICAなど、世界各国の医育・行政・保健機関や国際機関から約850名が参加しました。

今回の会議のテーマは「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)達成のための優先順位」です。UHCは「すべての人が適切な予防、治療、リハビリなどの保健医療サービスを、必要な時に支払い可能な費用で受けられること(WHOの定義)」の意味で、世界的に資源の制約がある状況下でいかに実現・維持するか、政策決定者やUHCに関連する各国政府などの実務担当者との間で知見を共有しようというものです。

小林さんは、国内の大学で統計学を学んだ後、企業に就職。その後、海外青年協力隊に参加し、アフリカ各国で国立病院や政府軍の保健施設などで保健医療関係のデータ取得や統計の精度などの改善に取り組みました。帰国後、「患者のより身近で医療にかかわりたい」と本学部に入学。今回の会議には、将来、国際保健分野で医療人として活動したいとの希望から、本学の自己研鑽奨学金を得て参加しました。

入学後間もなくから湘南キャンパスの外国語教育センターで英語を学び、会議の参加に際しては登壇者の資料を取り寄せて読み込むなど、綿密な準備を重ねてきた小林さん。会期中はタイのマヒドン大学の学生、インドネシアとベトナムからの参加者との4名でチームを組み、議事進行係を務める各国の医師や薬剤師、研究者らと一緒に、連日開催される分科会の議事録とサマリーを作成。当日のうちにパワーポイントの書式で提出する大変な作業をやり遂げました。会議を終えて、「多様な国の人たちとひとつの目標に向かって作業に取り組むことは、貴重な体験でした。治療の優先順位を決めるのにも、国籍や背景が異なると意見も違う。コンセンサスを得るのは難しいことですが、未来に向けて合意形成をする大切さも学びました。これから多くの学生に自分の経験を伝えたいと思います」と話しています。

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