中川助教が日本進化学会の研究奨励賞を受賞しました

医学部医学科基礎医学系の中川草助教が、日本進化学会の研究奨励賞を受賞しました。この賞は、進化学やその関連分野において大きな発展が期待される若手の学会員に授与されるものです。8月26日に京都大学で行われた表彰式で、中川助教に賞状が授与されました。

中川助教が受賞した研究テーマは、「生命情報学の手法を用いたダイナミックなゲノム進化の機構解明」で、これまで生命情報解析(バイオインフォマティクス)の手法を用いてウイルス・細菌から哺乳類までさまざまな生物の遺伝子・ゲノム情報を解析し、その進化の機構や過程を明らかにする研究に取り組んできました。今回の受賞では、遺伝子の蛋白質への翻訳開始メカニズムが種の系統ごとに大きく変化していることを見出した成果や、ウイルスを媒介とする生物進化に関する研究とそれらの研究の基礎となるデータベースを構築したことなどが高く評価されました。

中川助教は、「生物の進化に関する研究は、近年の遺伝子解析技術の発展に伴い、さまざまな生物のゲノム情報を元に比較解析することができるようになってきました。そのような技術は医学面にも応用ができ、例えばさまざまな薬剤への耐性を持った多剤耐性菌や新規ウイルスの発生過程などを調べることもできますし、また、がんの進行過程も生物進化の一種ととらえることもできるため、そのような研究も世界中で加速的に発展しています。一方で、まだまだ技術的にも発展し続けていて、また未解明の点も多く残っている分野でもあります。今後も研究を積み重ね、サイエンスとメディカルの融合を図り、学内外との共同研究を手掛けていきたい」と話しています。

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