医学部の学生がコソボの結核医療施設を見学しました

医学部4年次生の佐久間真紀さんが8月1日から5日までコソボ共和国を訪問し、結核医療施設などを見学しました。佐久間さんは、本学の平和戦略国際研究所が主体となって2月から3月にかけて実施した「2016年度21世紀保健指導者養成コース(グローバル保健医療政策担当者の政策立案能力強化)」の閉講式後の懇親会に参加。同コースを受講していたコソボ保健省のミラジム・ジョツァイ氏と出会い、同国の結核対策について興味を持ちました。今回の訪問は、ジョツァイ氏が佐久間さんの強い希望に応えて企画・調整し、実現したものです。

佐久間さんは、事前に公益財団法人結核予防会結核研究所の保健師・看護師等基礎実践コースを受講して結核の特徴や服薬、患者への対応などについて学び、見学に臨みました。コソボでは、現地の国家結核コーディネーターの説明を受けながら大学病院や国立公衆衛生研究所細菌学室を見学。また、薬剤師や精神科の医師らの案内で、多剤耐性胸部疾患病院や刑務所病院も巡りました。「地域の結核センターを束ねる国家結核コーディネーターの役割や組織体制、国立公衆衛生研究所疫学部感染症課との連携、結核患者調査の実態などについて学ぶことができました。また、世界保健機関(WHO)や世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)などの支援でようやく結核対策が成り立っている現状をはじめ、さまざまな課題も知ることができ、大変有意義な研修になりました」と振り返ります。

アメリカの大学で数学や統計学を学んだ佐久間さんは、帰国後は大学院で分子生命科学を専攻。「大学院で研究に携わる中で、医学をより体系的に学ぶ必要を感じました。また、超高齢社会への対応や日本の高度な医療の海外展開といった課題解決のためには、医学の専門的な知識が不可欠と考えました」と、本学部に編入した理由を説明します。「プログラムを組んでくださったジョツァイ先生をはじめ、現地のスタッフの皆さんに心から感謝しています。2008年にセルビアから独立したばかりのコソボでは、現在、さまざまな保健医療制度を整えつつあり、専門知識を持った人材が求められていると感じました。中・後進国の保健医療従事者の育成や人的交流の支援ができるよう、医療のスペシャリストになることはもちろん、多くの経験を積んで視野を広げたい」と話しています。

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