市民公開講座「やさしい肝臓病のはなし」を開催しました

医学部付属病院が6月15日に伊勢原キャンパス松前記念講堂で、「肝疾患医療センター市民公開講座『やさしい肝臓病のはなし』」を開催しました。本病院は肝疾患診療連携拠点病院に指定されており、肝疾患医療センターでは肝疾患に関する診療ネットワークの整備や診療にかかわる人材の育成、相談支援などに取り組んでいます。この講座は、患者や市民、保健医療福祉関係職者に肝臓病の治療に関する最新情報を提供するため、一般社団法人日本肝臓学会や神奈川県、伊勢原市をはじめ近隣の医師会らの協力や後援を得て毎年実施しているものです。当日は、本病院の医師や臨床検査技師、薬剤師、管理栄養士ら6名が講演し、約70名が参加しました。

はじめに、総合司会を務めた本センターの加川建弘センター長(医学部医学科内科学系消化器内科学教授)が講座の趣旨を説明。伊勢原市保健福祉部健康づくり課の高橋健一課長が、「最先端の高度医療を提供している医学部付属病院の各専門分野の先生方から肝臓病について学べる貴重な機会です。肝疾患の原因や予防法などを知り、自身や家族の健康管理に役立ててください」とあいさつしました。

第一部では消化器内科の医師が、C型肝炎やB型肝炎の原因や治療法、脂肪肝の病態やそれによって引き起こされる疾患について解説。臨床検査技師が、肝臓病の状態や進行度合いを確認するための血液検査の項目や基準値について説明しました。第二部では薬剤師が肝臓の働きを助ける薬とその服薬方法を、また、管理栄養士が脂肪肝を防ぐための食事について説明し、最後に公衆衛生学の医師が仕事と肝疾患治療を両立させるための助成金制度について紹介。各講演について、参加者から多くの質問が寄せられました。

全講演終了後に加川センター長が登壇。「近年、新しい治療薬が次々に開発され、病気をコントロールすることができるようになってきましたが、まだ多くの患者さんが肝臓病に苦しんでいます。今後も地域の医療従事者の皆さんと共に、患者さんのために役立つ情報を発信し、よりよい治療を提供していきたいと思います」とあいさつし、盛会のうちに終了しました。

なお、講演者とテーマは以下のとおりです。
総合司会:加川建弘教授(医学部医学科内科学系消化器内科学・肝疾患医療センター長)
【第一部 講演会】
司会:大石祐子看護師長(東海大学医学部付属病院看護部)
講演1「今だからこそ気を付けよう!~C型肝炎、B型肝炎の問題点~」
広瀬俊治助教(医学部医学科内科学系消化器内科学)
講演2「肝臓に脂肪がたまるとなぜ悪いのか」
荒瀬吉孝助教(医学部医学科内科学系消化器内科学)
講演3「血液検査値の見方について」
柴田真衣子臨床検査技師(医学部付属病院診療技術部臨床検査技術科)
【第二部 講演会】
司会:曽根敦子薬剤師(医学部付属病院薬剤部薬剤科)
講演4「肝臓病の薬物療法について」
髙橋和紗薬剤師(医学部付属病院薬剤部薬剤科)
講演5「肝臓にやさしい食事~脂肪肝について~」
後藤陽子科長補佐(医学部付属病院診療技術部栄養科・管理栄養士)
講演6「肝炎に対する助成制度と“治療と仕事の両立支援”」
古屋博行准教授(医学部医学科基盤診療学系衛生学公衆衛生学)

※本病院では、肝疾患の患者さんとその家族(一般の方)、保健医療福祉関係職者を対象とした「みんなの肝臓病講座」を下記の日程で開催します。参加費は無料です。
【開催日とテーマ】
第1回「アルコールと肝臓病」  7月20日(土) 11時~12時
第2回「脂肪肝」        9月7日(土) 11時~12時
第3回「B型肝炎」       11月16日(土) 11時~12時
第4回「C型肝炎」       1月18日(土) 11時~12時
第5回「肝臓がん」       3月21日(土) 11時~12時
※日程は変更になる場合があります。
【会場】
東海大学医学部付属病院 病院棟(5号館)5階会議室(伊勢原キャンパス内)
【問い合わせ先】
東海大学医学部付属病院総務課 電話:0463-93-1121(代)内線2014
詳しくは肝疾患医療センターのホームページをご覧ください。
http://liver.med.u-tokai.ac.jp/lecture.html

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