健康・スポーツ科学セミナーで小澤教授が講演しました

健康・スポーツ科学セミナーで小澤教授が講演しました

大学院体育学研究科では1月14日に、湘南キャンパス7号館で「第23回健康・スポーツ科学セミナー」を開催しました。学内外から健康やスポーツ科 学の専門家を招いて勉強しようと約5年前から実施しています。今回は体育学部体育学科の小澤治夫教授が「ジュニア期・ユース期の子どもの生活・健康・体 力・学力の現状と課題~小澤研究室の8年間の取り組み(TUGS)から~」をテーマに講演。学生や教員、地域住民らが参加しました。

小澤教授は、高校生の体力と学力が高い県と低い県を比較して、運動習慣や朝食の有無、テレビを見る時間の差などの研究データを紹介し、「生活習慣が 色濃く影響している」と説明。またスポーツテストの記録から、「体重1kgあたりの背筋力は年々低下しており、今の男子のデータは昔の女子と変わりませ ん。1500m走のタイムを見てみると、1970年は遅い子も速い子もあまりいませんでしたが、今は二極化している。部活動に入っている今の子どもと、 入っていない昔の子どもの数値がほぼ同じということからも、体力の低下が見て取れます」と語り、身体活動量の低下、遊ぶ場や時間など環境の変化といった要 因を挙げました。さらに現代は「だるい、疲れやすい、何もする気になれないという子どもが多い」といった調査結果から、現在と過去の子どもたちの睡眠時間 や食事、生活習慣の差などを紹介し、「朝食を食べない子と、しっかり食べている子では、時間が経つにつれて集中力の差がどんどん開いていきます。朝食を食 べない子は体温が低く、学習意欲も低い。しっかり食べていれば学習意欲も体力もあり、授業中も集中できるので結果として学力が上がる」と朝食の重要性を語 りました。さらに「これは大学生にも同じことが言えます」と、7年ほど前に行った東海大学女子バレーボール部での調査・研究を例に挙げ、「血液検査の結 果、選手25人中21人が貧血でした。これではダメだと思っていた通り、直後に2部リーグ落ち。それがきちんと朝食や睡眠を取るようになると13人の貧血 が解消され、その後1部リーグへ昇格、リーグ優勝、そして3連覇を達成するチームに成長しました」と説明しました。

1時間で300枚ものスライドを使用して本学での8年間の取り組みから得た成果を振り返り、「朝食を毎日しっかり食べる、毎朝排便がある、遅刻をし ない、学校で眠くならない、体をしっかり動かす、毎日勉強は2時間(携帯・ネットは1時間以内)、風呂(湯船)に入る、睡眠は7時間しっかりとる」という “文武両道を実現する8か条”を紹介。最後に、「今日のデータは歴代の学生たちが一生懸命作ってくれたものです。彼らに感謝して、講演を終えたいと思いま す」と語りました。

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