湘南キャンパスで「日本コーチング学会第30回学会大会」が開かれました

湘南キャンパス19号館で3月13、14日に、「日本コーチング学会第30回学会大会」(主催=日本コーチング学会・日本体育学会体育方法専門領域、共催=東海大学)が開かれました。日本コーチング学会は、「体育・スポーツの指導実践に関する科学的研究とその発展に寄与し、スポーツの実践に資すること」を目的としており、節目となる第30回学会大会は、選手の潜在能力を引き出す「クリエイティブ・コーチング」をテーマに実施。期間中は学内外から教員や大学院生、学生、研究者ら502名が参加しました。

13日には、有識者による基調講演をはじめ、本学の運動部で監督やコーチを務める教員らが「種目間横断的連携による競技力向上に向けた実践」と題して、総合体育館でワークショップを実施。種目をこえて活用しているコーチングのノウハウなどを紹介しました。また、「東海大学におけるコーチング『東海メソッド』の取り組み」をテーマに、5種目の本学運動部の監督がコーチング理論を紹介する「ラウンドテーブル・ディスカッション」を実施しました。水泳部の加藤健志部長(スポーツ医科学研究所准教授)は、リオデジャネイロ五輪の競泳女子200m平泳ぎで金メダルを獲得した金藤理絵さん(2012年度大学院体育学研究科修了)へのコーチングを事例に講演。ボクシングをはじめとするフィジカルトレーニングが功を奏したことを紹介し、「自分の軸がぶれない、指導を素直に聞く選手は一様に成績が伸びる」と語りました。全日本学生柔道優勝大会で10度の優勝を誇る男子柔道部の上水研一朗監督(体育学部武道学科教授)は、「“最も強い柔道家”と“最も必要とされる人”を育て上げることが目標」と指導理念を紹介。五輪や世界柔道のメダリストを数多く輩出してきた背景に、選手の性格やモチベーションの保ち方を見極め、一人ひとりに適した指導方法があることを解説しました。全日本大学バレーボール選手権大会で2度の優勝に導いた女子バレーボール部の藤井壮浩監督(体育学部競技スポーツ学科准教授)は、「言葉で指導するには限界があり、視覚的なアプローチが必要」と話し、試合や練習の様子を撮影した動画を用いた分析、評価の方法を紹介しました。これらは学生が主体となって実施しており、「練習の計画から実行までを選手たち自身で行うことによって、フィードバックまでしっかり行える」と語りました。

今年度の全日本大学バスケットボール選手権大会で5度目の優勝を果たした男子バスケットボール部の陸川章監督(体育学部競技スポーツ学科教授)は、18年度の大会結果や練習内容を解説。大学日本一までの歩みを振り返り、「学年をこえて選手同士が切磋琢磨してきたことが、一人ひとりの自信につながったのだと思う」と話しました。日本代表主将のリーチマイケル選手(10年度体育学部卒・東芝ブレイブルーパス)をはじめ、多くの代表選手を育成してきたラグビーフットボール部の木村季由監督(体育学部競技スポーツ学科教授)は、激しいコンタクトプレーが多く体力を消耗しやすいラグビーにおいて、「試合では最後の20分が山場になることが多いため、疲労した状態で正しいタックルができるよう練習の最後に追い込み、拮抗したゲームで正しいプレーができるよう練習を組み立てている」と解説しました。参加者からは、「東海大には全国区で活躍しているチームや選手が多く、それらを率いる各監督の話を聞くことができるのはとても貴重な経験になりました」「専門とする競技が違っても、コーチングには共通するポイントが多いことがわかりました」といった感想が聞かれました。

翌14日には、学会会員による口頭発表とポスター発表を実施。「大学女子バスケットボール選手が自主的に課題解決策を考えてトレーニングに取り組む手法の考案と成功事例」「超速球を見るトレーニングが打撃パフォーマンスに及ぼす即時効果」など、さまざまな研究成果が報告されました。

日本コーチング学会 (2)_341.jpg

日本コーチング学会 (3)_341.jpg

日本コーチング学会 (4)_341.jpg

日本コーチング学会 (5)_341.jpg

日本コーチング学会 (6)_341.jpg

日本コーチング学会 (7)_341.jpg

日本コーチング学会_525.jpg