中村教授が大磯町との産官学連携健康増進事業の成果を発表しました

体育学部生涯スポーツ学科の中村豊教授が3月23日、大磯町民を対象に2014年9月から2015年2月まで実施してきた産官学連携健康増進事業「おおいそアンチロコモ教室」の成果を平塚市役所の記者室で発表しました。この事業は、本学科と同町、医療機器・材料メーカーであるアルケア株式会社が連携し、加齢で衰えやすい下肢に特化した運動プログラムに取り組んでもらうことで健康寿命を伸ばすことを目的とするものです。

同教室は町内の施設で1カ月に1回、計6回開催し、50代から80代後半の男女118名が参加。中村教授が、足腰の運動器の機能の低下や障害で移動が困難となる「ロコモティブシンドローム」や「高齢者疾患と運動による予防」「筋力と健康」などのテーマについて講話したほか、つま先立ちやスクワット、足踏みなど5種類の運動で下肢を鍛える「いけいけ体操」を中村教授のゼミ生がサポートしながら実施。参加者には毎日の運動を「いけいけ手帳」に記入してもらい、同町町民福祉スポーツ健康課の職員が健康状態の改善に向けてアドバイスを送りました。

発表には中村教授のほか、同町の中﨑久雄町長と同株式会社の鈴木輝重社長が出席。同市役所記者クラブに加盟する新聞社など報道機関に対して、中村教授は同教室の初回と最終回に同株式会社が開発した下肢筋力測定器などを用いて参加者の筋力やバランス感覚、骨密度を8項目のテストで測定した結果を比較し、「下肢の力は全体的に向上し、良好な結果を得ることができました。しかし、ごく少数ではありますが数値が悪くなった方も見受けられ、その原因の解明と改善が課題です。また、運動を継続し、その成果が手帳の記録で目に見えてわかることが参加者のモチベーションを非常に高めることもわかり、有意義なデータを蓄積することができました。補助にあたった学生たちにとっても、日ごろの学びを実践できる絶好の機会となり、貴重な経験を積むことができたと考えています」と語りました。

中﨑町長は、「この事業が多くの住民にとって、ロコモティブシンドロームや健康寿命を考えるきっかけになることを期待しています。この成果を周知し、取り組みを今後につなげていきたい」と話しました。続いて、鈴木社長が「機材を活用していただき、素早く正確に計測できることを実証することができました。社会貢献のため、これからもできる限りの協力をしていきたい」と述べました。

体hp報告「ロコモ健診成果発表」01.JPG