化学科の岩岡道夫教授が「イノベーション・ジャパン2017」に出展しました

理学部化学科の岩岡道夫教授と荒井堅太講師が共同で、8月31日と9月1日に東京ビッグサイトで開催された「イノベーション・ジャパン2017 ~大学見本市&ビジネスマッチング~」(主催:国立研究開発法人科学技術振興機構、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)に研究シーズを出展しました。大学と企業(産業界)のマッチング推進を目的として毎年開かれているイベントで、全国から500を超える大学や企業らが参加。本学では産官学連携センターが主体となって、岩岡教授のほか、黒田輝教授(情報理工学部情報科学科)と岩森暁教授(工学部機械工学科)が「シーズ展示ブース」に、また、マイクロ・ナノ研究開発センターが「組織展示ブース」に出展しました。

「セレノペプチド創薬―持効型セレノインスリンの合成」をテーマにポスター展示した岩岡教授らは、「セレノシステイン誘導体の合成技術」「アミノ酸をつなぐペプチド合成技術」「タンパク質フォールディング技術」の3つの技術について紹介。これらの方法により、持効性のある糖尿病治療薬としての応用が期待されるセレノインスリンをはじめ、抗酸化サプリメントとして利用できるセレノグルタチオン、妊娠ホルモンであるヒト2型リラキシンが、従来の方法に比べて格段の収率で化学合成が可能になるといった研究成果を発表しました。ブースには医療関係のほか、食品や化学関連企業などからも多くの研究者が訪れ、共同研究の可能性などについて熱心に意見を交わしていました。

岩岡教授は、「セレノインスリンは患者さんの負担を軽減する糖尿病の治療薬として、また、セレノグルタチオンは目薬や皮膚炎症の塗布薬、リラキシンは妊娠診断薬などへの応用が期待されます。本出展などを機に、大量合成法やモデル動物を用いた活性試験などについて企業と連携し、実用化に向けた研究を加速できればうれしい」と話していました。

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