「インフォグラフィック」を作成する教養学部との合同授業で公開発表会を実施しました

理学部数学科では2月2日に湘南キャンパスで、教養学部芸術学科デザイン学課程との合同授業の公開発表会「知っていたようで知らなかった〇〇〇 INFOGRAPHICS」を実施しました。統計データの正しい読み方や、グラフィックデザインを用いてデータをわかりやすく伝える方法を実践的に学び、両学部の学生たちが数値情報やデータを図化する「インフォグラフィックス」を作成するもので、本学科の開講授業「確率統計演習B」(担当教員=山本義郎教授)と、デザイン学課程の開講授業「デジタルグラフィックデザイン」(担当教員=富田誠講師)の受講生計20名が参加しました。

本授業ではこれまで、統計局の職員やプロのデザイナーをゲストに招いて特別講義を実施し、データを視覚化するサービスなどについて学んできました。5回目の合同授業となる今回は「知っていたようで知らない〇〇〇」をテーマに、当たり前のことをデータで掘り下げるとどんな発見があるのかを考えようと、「お金」「結婚」「風呂」「40代」「宗教」の5つの班に分かれてインフォグラフィックを作成してきました。

公開発表会では、総務省統計局や新聞社などで統計やデザインに携わる専門家も招待。学生たちは「夫婦が出会ったきっかけの推移」「風呂に入るために必要な資源量」など、テーマに関する統計データからさまざまな情報を紹介しました。最優秀賞に選ばれたのは「お金」チームで、職業ごとの平均年収を牛丼の数に置き換えたイラストや、「高卒サラリーマンVS大卒サラリーマン 長い目で見たらどっちが儲かる?」と題したグラフなど、「お金」に関する疑問を統計データとイラストで分かりやすく表現しました。メンバーの野村幸志郎さん(理学部数学科3年次生)は、「テーマが決まるまで時間がかかったのですが、その分メンバーで何度も集まって話し合いと試作を重ねました。このチームワークがあったからこそ、最優秀賞をいただける作品ができたと思います」と語ります。また、仙田真郷さん(教養学部芸術学科デザイン学課程2年次生)は、「最初は、面白い表現は自分たちデザインの人間が考えるものだと思っていたのですが、数学科の学生たちから、自分には考えつかないアイデアが出ることもありました。違う視点だからこそ気づく面白さもあることに気づきました」と振り返りました。

山本教授は、「最優秀賞のチームは集まる回数が圧倒的に多く、内容をどんどんブラッシュアップして完成度の高い作品を作ることができました。数学科の学生は普段、統計データの内容まで考えることが少ないので、この授業はデータの内容やそこから派生する事象などについて考えるいい機会になっています」と語ります。また、富田講師は、「デザイン学課程の学生は見栄えを優先してしまう傾向がある中で、グラフの線や数字の入れ方などを数学科の学生が指摘する場面もありました。違った視点で一つのものを作る難しさと面白さを感じてもらえたと思います」と振り返りました。また、ゲストからは、「美術大学でインフォグラフィックの課題が出ると1枚絵になることが多いのですが、複数のパネルでストーリー仕立てにしているのがおもしろい」といった声や、「見る人に統計データを分かりやすく伝えるものなので、文字の色や大きさも工夫するといい」など、アドバイスも多く寄せられました。

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