
田口 かおり
タグチ カオリ
- 准教授
- 学位:博士(人間・環境学)
基本情報
所属
- 教養学部 / 芸術学科
- 芸術学研究科 / 造型芸術専攻
ジャンル
- アート
- デザイン
- 考古学
- 西洋史
- 哲学・思想
研究と関連するSDGs
研究内容
文化財と美術作品の保存修復・科学調査・展示・収蔵・アーカイヴをめぐる総合的研究
「人類はどのように美術品を見出し、いかにそれを保存し、修復してきたのか」を明らかにすることを目的に、歴史学、美学/美術史、科学技術史など多方向からのアプローチにより、古代から現代までの保存修復史を再構成する基礎研究を行なっている。同時に、国内外の美術館では、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ、クロード・モネをはじめとする印象派の画家たちの作品や現代美術作品の保存修復を担当し、修復の過程で行われる光学調査を介して明らかになる絵具の組成や修復遍歴などの新知見を積極的に公開しながら、国外美術館や企業との共同研究を進めている。また、展覧会のために来日する国外美術作品のメンテナンスやコンサベーションも数多く実施している。
詳細情報
研究キーワード
- 美学・美術史
- 表象文化論
- 保存科学
- 文化財保存
- アーカイヴ
- 修復理論
- 保存修復
研究分野
- 人文・社会 美術史 保存修復理論、保存修復史、表象文化論
委員歴
- 表象文化論学会 編集委員会 編集委員
受賞
- 表象文化論学会 第七回表象文化論学会学会賞
論文
美術作品の保存修復における光学調査の役割と展望
1966年アルノ川大洪水における美術作品レスキューと保存修復をめぐる一考察 ―ウンベルト・バルディーニの保存修復理念と技法の射程―
アンリ・マティス作品と保存修復
実用性の回復か、痕跡の保存か:18世紀西洋における近代保存修復学の萌芽
勅使河原蒼風《樹獣》――近現代美術の保存修復と調査の一事例として
ラファエル・コラン《海辺にて》をめぐる一考察 ―光学調査による技法分析を中心に
ジャン=フランソワ・ミレー《角笛を吹く牛飼い》調査修復
長作動距離モノキャピラリーX線集光素子を用いた絵画用X線分析顕微鏡の開発
近現代美術の「臭気」をめぐる一考察 --展示、収蔵、保存、修復のケーススタディ
「保存修復とX線の『暴力性』-キャサリン・ジルジュ《スザンナと長老達》をてがかりに」
井田照一《タントラ》(1962-2006)の技法研究と保存処置
Symbol and Satire in the History of Restoration: Focusing on the Cleaning Controversy
椿貞雄の《自画像》の制作技法について
The Shifting Place of Madness in Modernizing Japan: Interview with Kazushige Shing
保存修復の技法と思想—チェーザレ・ブランディ(1906-1988)の介入倫理を軸として
保存・修復におけるコンテンポラリー・アート:チェーザレ・ブランディの理論とその「現代性」
近代イタリアの絵画修復におけるパティナへの一考察—チェーザレ・ブランディ『修復の理論』を手がかりに
誰が破壊、修復、展示を恐れるのか?―バーネット・ニューマン論争とヴァンダリズム
近代イタリア修復学と《マドンナ・ピカソ》
保存修復学における日伊文化交流史——『繪の健康法』から高松塚論争まで―
書籍等出版物
- のこす つなぐ よみがえる 小田原市民会館第壁画の記憶
- ピカソ 青の時代を超えて
- レオナルド・ダ・ヴィンチ 失われた大壁画の記憶 ≪タヴォラ・ドーリア≫徹底研究
- 美術手帖 2021年 4月号 アーカイヴの創造性 過去をどう活かす?未来にどう残す?
- タイムライン : 時間に触れるためのいくつかの方法 = Timeline : multiple measures to touch time
- 美学の事典 = Encyclopedia of aesthetics
- 印象派、記憶への旅
- 保存修復の技法と思想:古典芸術・ルネサンス絵画から現代アートまで
- イタリア・モード小史
- ウフィツィ・ヴァーチャル・ミュージアム展図録
- Utilizzo della colla Funori nel restauro
- ボルゲーゼ美術館展図録
講演・口頭発表等
- 壁画を残し、つなぐために
- 保存修復の射程:理論の成り立ちから現代美術への応用まで
- 剥がし、移動し、保存すること
- 現代美術の保存修復を考える
- イタリアの文化財レスキューと保存修復 ―1966 年フィレンツェ大洪水から考える「予防的修復」の意義と応用
- 近代絵画の来歴および技法をめぐる美術史と科学の複合調査ーフィンセント・ファン・ゴッホ作品を例としてー
- Reinvestigating Japanese Art: History, Technique and Materials from Ancient to Contemporary
- 大学美術館における展示の可能性と保存修復
- 『タイムライン ─時間に触れるためのいくつかの方法』展の射程
- 現代美術の保存と修復
- 高知県立美術館春季企画展「収集保存 あつめて→のこす」展における作品分析の手法
- 美術作品保存修復における化学の役割と展望
- 新型コロナウィルス時代の一現場:美術作品の点検/修復の現場における変化と展開
- クロード・モネ作《睡蓮、柳の反映》における材料・技法についての科学的調査
- 文化財の保存と修復
- 作品を残すこと、保存修復の理論と実践:北原悌二郎作品の事例を前に
- 保存修復の倫理:現代美術の「生」をめぐって
- ファン・ゴッホ作品の再構成―来歴と色
- 作りながら保存(アーカイヴ)すること
担当経験のある科目
- 造形芸術理論特講
- 芸術表現基礎
- 美術史基礎
- ミュージアム資料保存論
- 視覚イメージの読み方
- 文化財特殊講義
- イタリア語初級文法
- 博物館資料保存論
- 比較文化史
- ヨーロッパ文化史
所属学会
- アート・ドキュメンテーション学会
- 表象文化論学会
- 文化財保存修復学会
- 美術史学会
- 美学会
共同研究・競争的資金等の研究課題
西村保史郎 大壁画の記憶ー保存修復の全行程をたどる
非破壊光学調査による西洋近代絵画の技法解明と保存修復来歴の再構成
文化財と美術作品の保存修復をめぐる理論的・実践的研究——古代から現代にいたる歴史的変遷の再構成を軸として
小規模映画における保存と修復及びアーカイヴに関する研究
現代美術の保存と修復――その理念・方法・情報のネットワーク構築のために
京都大学総合博物館 春季企画展「タイムライン」
タイムライン:時間に触れるためのいくつかの方法
保存修復技法・思想の総合的研究:チェーザレ・ブランディ修復学の受容と現代性
「保存修復の技法と思想」出版助成
西洋における美術作品の保存・修復の技法と思想の変遷
社会貢献活動
- 新収蔵作品の修復記録 4.《アンリ・リュップの思い出》
- 約70年ぶりに発見!ゴッホの水彩画を分析 -東海大学 田口先生に聞く(聞き手:河原林茉衣):「科学の目」で読み解く、ゴッホ作品の変遷
- 現代美術の保存と修復 教育編
- 時とともに変わりゆく有機体としての作品─保存修復の見地から: 田口かおり(聞き手:加藤杏奈、奥村健太郎)
- 作品を守ること/展覧会を記録すること:休館中に考える《展覧会の守り方》とピーター・ドイグ展
メディア報道
- 染みと思ったら…国内で珍しい大壁画 小田原で12月公開
- 市民会館の壁画、保存へ 東海大准教授らが協力
- 旧・小田原市民会館大ホールの壁画を近現代美術史、建築史の貴重な資料として保存へ!
- 小田原 思い出の壁画またね
- ”謎の壁画”、一部保存へ 市民調査が小田原市を動かす
- 田口かおり×五十嵐太郎×市川紘司:修復家の田口かおりさんと美術と建築の保存修復について話す
- NHKスペシャル モネ 睡蓮~よみがえる“奇跡の一枚”~
- 芸術作品を取り巻く「時間」をテーマに。企画展「タイムライン 時間に触れるためのいくつかの方法」が京都大学総合博物館で開催
- 辻井伸行 感動バックヤード:修復士 田口かおり
学術貢献活動
- ヴォルフガング・ライプ《ミルクストーン》調査・保存修復
- 写真撮影および分光分析の技術を用いたジョルジュ・ルオー作品の色材調査
- 奈良美智《Fountain of Life》調査・保存修復
- フィンセント・ファン・ゴッホ≪草地、背景に新しい教会とヤコブ教会≫光学調査
- のこす つなぐ よみがえる 小田原市民会館大ホール壁画の記憶展 Vol.2
- のこす つなぐ よみがえる 小田原市民会館大ホール壁画の記憶展 Vol.1
- 「ホルス神の眼を捧持するヒヒ像」(東海大学古代エジプト及び中近東コレクション) 保存修復
- 草間彌生《残骸》光学調査・保存修復
- ヨーゼフ・ボイス《ヴィトリーヌ:マルティプル》調査・保存修復
- 論文査読
- Chim↑Pom《VENUS》調査・保存修復
- ピーター・ドイグ展 作品輸送クーリエおよびコンサヴェーション
- マリオ・メルツ 《明晰と不分明/不分明と明晰》光学調査・保存修復
- アンゼルム・キーファー《アタノール》光学調査
- 国際シンポジウム「芸術作品と科学」
- フィンセント・ファン・ゴッホ《草むら》《アザミの花》《ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋》光学調査
- タイムライン-時間に触れるためのいくつかの方法-
- ニキ・ド・サンファル 《大聖堂》調査・保存修復
- ルイ=ジョセフ=ラファエル・コラン《海辺にて》光学調査・保存修復
- クロード・モネ《睡蓮―柳の反映》(国立西洋美術館蔵)保存修復・光学調査
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学長室(広報担当)
Tel. 0463-63-4670(直通)