ロシア人学生向けの中期交換留学プログラムを実施しました

東海大学では4月1日から8月10日まで湘南キャンパスと伊勢原キャンパスで、ロシア人学生向けの中期交換留学プログラムを実施しました。本学が文部科学省の平成29年度「大学の世界展開力強化事業」の採択を受けて展開している「ライフケア分野における日露ブリッジ人材育成:主に極東地域の経済発展を目的として」の一環で実施しているもので、極東連邦大学、モスクワ国立大学、国立研究大学高等経済学院、サハリン国立総合大学から8名が参加しました。

学生たちは、英語で栄養学や医療、ビジネスなどの専門知識を学ぶ「グローバル・プログラム科目群」の中から、興味・関心のある12単位の科目を受講。「栄養学入門」の授業では、日本人学生とともに、人体の消化機構や食事と健康の関係などについて、最新の日本の研究成果に基づいて学びました。そのほか、異文化コミュニケーションや国際文化論では、相互理解と文化に関する知識を学び、異なる文化的背景を持つ人同士が良好な信頼関係を培う、国際な交流や仕事に欠かせないスキルも実践的に磨きました。

また7月下旬から8月上旬にかけて、日本の長寿社会を支えている健康診断の実務を経験するインターンシップを伊勢原キャンパスの医学部付属病院と伊勢原市未病センターで実施し、本学が伊勢原市と協力して実施している市民向けミニ健康診断「健康バス」の取り組みにも参加しました。医学部付属病院では、日本人の死因の歴史的な変化と健康診断・検診の普及の関係、日本とロシアの医療保険制度の違いなどについて講義を受けた後、病院内の見学や健診センターの業務補助などを行いました。また、伊勢原市未病センターと健康バスでは、健康長寿実現のために進められている日常的な健康診断の取り組みの理念について、伊勢原市の担当者から説明を受け、血圧計や骨密度計、血管年齢計の使い方を習得。そのうえで、市内の公民館とショッピングモールで行った健康バスを健康学部の学生と協力して実施しました。

サンジーエワ・アヤナさん(モスクワ国立大学大学院1年)は、「栄養学から国際関係などまで、さまざまな分野に関する知識を学び、視野が広がりました。東海大学は自然にあふれ、コンピュータやスポーツ施設なども充実しているので、健康的に勉強できる環境が整っていたと思います」とコメント。アヴェールキナ・エカテリーナさん(サハリン国立大学2年)は、「付属病院を視察し、医療やリハビリテーションの現場を見れたことがとても参考になりました。授業でも日本人をはじめさまざまな国の留学生とともに学ぶ機会もあり、さまざまな文化の特徴や文化的背景が異なる人とのコミュニケーションの取り方も勉強できるなど充実したプログラムでした。このプログラムで学んだことは、必ず将来の役に立つと確信しています」と語っていました。また、ソフィア・アベーノワさん(国立研究大学高等経済学院2年)は、「健康バスの取り組みに従事しながら、高齢者を中心にさまざまな方と接し、日露の文化の違いなどについて多くのことを話す貴重な機会になりました。これまでロシアでも、日本でも“高齢社会”という言葉自体は学んできましたが、その実際の姿に接することもできたと感じています」と話しました。ブトゥエワ・マリアさん(極東連邦大学3年生)は、「健康バスの取り組みに参加したことで、病気になる前の段階で健康診断が病気の早期発見や予防に大変役立っていることや、単に数値を測るだけでなく、その意味を伝えるカウンセリングが重要であることを実感しました。また、栄養学入門の講義で学んだ専門用語が健康診断でも使われており、事前に機器の使い方や参加者との接し方を学ぶ研修も受けたことで、用語への理解が深まるとともに、インターンシップがより充実したものになりました」と話していました。

中期研修受入 (1)_525.jpg

中期研修受入 (2)_525.jpg

中期研修受入 (3)_525.jpg

中期研修受入 (4)_525.jpg