モスクワ総合大学理学部と特殊流体に関するラウンドテーブルを開催しました

東海大学では10月15日にオンラインで、ロシア・モスクワ総合大学理学部と「特殊流体に関するラウンドテーブル」を開催しました。全世界から研究者が参加し、ロシアで最も権威ある科学の祭典「全ロシア科学フェスティバル」の関連イベントとして企画されたものです。本学とモスクワ大は50年以上にわたって学術・教育など幅広い分野で連携しており、これまでも本イベントで最新の学術成果などを紹介するブースを設けてきたほか、2014年度からは流体力学に関するワークショップを開催してきました。科学フェスティバルの関連イベントとして合同の学術交流が実現したのは今回が初めてです。

最初に、本学総合科学技術研究所の岩森暁所長が、「科学フェスティバルの関連イベントとしてモスクワ大学と学術面で意見を交わす機会を持てたことは大変光栄です。特殊流体は本学が得意とする研究分野の一つであり、本日の議論が有意義なものとなるよう期待しています」とあいさつしました。続いて、モスクワ大理学部教授のイリーナ・ズナメンスカヤ氏と本学工学部航空宇宙学科航空宇宙学専攻の水書稔治教授がそれぞれの研究室で取り組んでいる流体の可視化に関する研究を解説。ズナメンスカヤ氏は、超音速のプラズマによって発生する物質の流れや温度変化を可視化する技術について、水書教授は宇宙開発への応用が期待されている航空宇宙機用次世代型推進器「ローテーティング・デトネーション・エンジン(RDE)」の内部で生じている温度の変化をハイスピードカメラで可視化する技術についてそれぞれ語りました。

その後、両研究室所属の大学院生が関連研究の成果を紹介。本学からは、大学院総合理工学研究科機械・航空宇宙コースの王発明さんと大学院工学研究科機械工学専攻2年次生の岩崎文彦さんが、RDE内部で発生する現象のシミュレーション技術に関する研究と、可視化技術を使って行った実験の成果についてそれぞれ語りました。

講演後には互いの研究の詳細やディスカッションも行われました。水書教授は、「オンラインでの開催となったことで、普段はなかなか会うことができない研究者とも互いの研究について詳しく議論できた。両研究室が手掛けている内容は類似する部分も多い一方、異なるアプローチで取り組んでいる面もあり、研究交流を通じて得るものが多い。今後もこうした機会や学生の相互派遣などを通して研究のさらなる発展につなげたい」と話しています。

【全ロシア科学フェスティバルウェブサイト】
https://en.festivalnauki.ru/

【「特殊流体に関するラウンドテーブル」ウェブサイト】
http://roundtables.festivalnauki.ru/flows