教職員向けに「イスラム異文化理解研修」を実施しました

東海大学では12月23日にオンラインで、教職員を対象にした「イスラム異文化理解研修」を実施しました。本学は中東地域出身の留学生を日本で最も多く受け入れている大学であり(2020年10月現在105名)、マレーシアやインドネシアなどからの留学生も年々増加していることから、教職員がイスラム教やイスラム文化への基礎知識を学ぶ機会としてグローバル推進室が企画したものです。今回はイスラム圏で長く勤務した経験を持つ濱田秀明氏(国際石油開発帝石株式会社)を講師に招き、約20名の教職員が参加しました。

講演では最初に、イスラム教の教義やさまざまな宗派の特徴、イスラム教の理念に基づく人間関係の構造を解説。その上で、イスラム諸国が結成している「イスラム協力機構」や「アラブ連盟」といった国際協力機構の概要について語りました。さらに、イスラム社会は父系制社会であり、日本人とは違って「国」よりも「部族」に帰属意識を持つ傾向が強いこと、日本は「諸文明の中で一神教の進出を阻んだ数少ない文明国」として高く評価されていることなどを紹介。そうした国の人々と仕事をする場合には、「相手の理念や価値観を理解するとともに、自分たちの理念やビジネス習慣などをしっかり説明できるようにしておくことが重要です。また、適切な言葉で穏健に話すことに気を配ってほしい」と語りました。

参加者からは、「何となく理解していたイスラム圏について、しっかりと深く理解することができ、中東と日本での人々の帰属意識に違いやイスラム圏の方々との接し方など、実務を行う上でも必要な事柄への理解がより深まりました」「イスラム圏の現在の情勢を、現地にいた人から直接聞けたことがよかった。日本との価値観の違いについてもっと知りたいと思うようになりました」といった感想が聞かれました。