堀田知光・元医学部長が令和4年度秋の叙勲で「瑞宝重光章」を受章しました

元医学部長・総合医学研究所長の堀田知光本学客員教授(国立研究開発法人国立がん研究センター名誉総長)が、令和4年秋の叙勲で「瑞宝重光章」を受章しました。長年にわたる医療や保健衛生への功労に対し贈られた章です。

血液内科が専門の堀田元医学部長は、名古屋大学医学部講師を経て1996年度に本学医学部血液・リウマチ内科学(現・内科学系血液・腫瘍内科学)に教授として着任。2002年度から医学部長、04年度から総合医学研究所長を務めました。06年度から独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター院長、12年度から15年度まで独立行政法人国立がん研究センター(現・国立研究開発法人)理事長を歴任。さらに、内閣府健康・医療戦略参与や厚生労働省「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」座長をはじめ、多くの社会的活動にも従事しました。現在は、公益財団法人がん研究振興財団理事長を務めるほか、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の疾患研究推進における疾患領域コーディネーター(DC)、革新的がん医療実用化研究事業をとりまとめるプログラムスーパーバイザー(PS)として、がんに関するさまざまな事業をつなぐ役割を担っています。

本学では、付属病院の医師として血液腫瘍をはじめとする難治性血液疾患に対する造血幹細胞移植治療を牽引。医学部長として教育組織改革に取り組み、03年度には44医局講座制度を廃止して5学系(基礎医学系、基盤診療学系、内科学系、外科学系、専門診療学系)27診療科(現在は6学系45領域)に改編し、診療科の壁をこえて自由に連携できる体制を構築しました。また総合医学研究所では初の研修会を本学の山中湖セミナーハウスで開催し、共同研究の促進と若手研究者の育成に尽力。さらに、05年度に竣工した医学部付属病院(伊勢原校舎5号館)の建て替えにも携わり、あらゆる診療科の定型的術式に対応できる環境と医療機器を整えた22の手術室を設けるなど、急性期医療、高度医療に対応できる病院の建設に尽力しました。

堀田元学部長は、「受章に値することを成し遂げられたかはわかりませんが、長年にわたり務めてきたことに対していただいたものと受けとめています。その礎となったのは、東海大学での10年間でした。支援・指導してくださった多くの皆さんに感謝しています」と語ります。「東海大では、前任の医学部長だった黒川清先生(本学特別栄誉教授)の構想を引き継ぎ、縦割りになっている医局をフラットにして診療科横断的に研究や診療ができる体制づくりに取り組んだことが印象に残っています。医学部としては比較的に歴史が若く、自由な発想で近代的なシステムを構築できる素地があったため、他大学に先駆けて大きな組織改革に踏み込めたのだと思います。今後も伝統のある大学にありがちな古いくびきにとらわれず、斬新な発想で前に進んでほしい。それが東海大の歴史をつくり、レガシーになっていくと期待しています」と話しています。