3.11生活復興支援プロジェクトが遊歩道「結の道」の第三期開通式を開催しました

東海大学チャレンジセンター・3.11生活復興支援プロジェクトが、11月18日に大船渡市三陸町越喜来泊地区で津波避難経路も兼ねた遊歩道「結の道」の第三期開通式(完成式)を開催しました。本プロジェクトでは2011年3月の東日本大震災発生直後から同地区に応急公民館を建設し、地域交流イベントの開催や復興まちづくりに積極的に協力するなどさまざまな支援活動を継続的に展開しています。「結の道」は、東日本大震災による津波の被害で家屋などが流され、国の「防災集団移転促進事業」によって高台と漁港周辺に分断した集落を再び「結ぶ」ことで、住民の物理的、心理的な距離を縮めてもらおうと2016年8月から整備を進めてきたものです。再び起こり得る災害に備えるとともに、震災の記憶の次世代への継承と同時に、津波到達ラインを可視化し、避難の際の目印、避難経路としても機能することを目指しました。

一部既存のアスファルト道路を含む全長約800mの遊歩道のうち、16年の第一期工事で高台側の約190mが開通。さらに17年の第二期工事では港側の約250mが開通しました。第三期は、今年8月20日から作業を開始し、9月1日までの日程で高台側の入り口(さくら口)から約160mを整備。草むしりから始め、掘削、転圧した後、砂利を敷いて完成させました。今回実施した「第三期開通式」は遊歩道の全面開通を住民ら広く知らせるとともに、今後も散策路として活用してもらおうと企画したものです。

当日はプロジェクトメンバー約10名が現地入り。開通式では、高台側のさくら口で泊区長の及川和義さんと学生代表らがあいさつし、及川さんは、「これまで住民にも忘れられていた道が学生たちの手で見事に完成しました。学生の皆さんには毎月、大船渡へと足を運んでもらい、努力してくれました。道の完成はそのたまものです。我々住民もこの遊歩道を活用して、住民のいこいの場となるようにしていきたい」と語りました。続いて参加者全員でテープカットを行い、学生たちと住民が「結の道」を散策。住民らは道の歩き心地を確かめながら、震災以前の地区の様子を懐かしんだり、道沿いにありサケが遡上する泊川をのぞき込んだりしつつ、プロジェクトが15年に再建した集会所「結っ小屋」付近まで歩きました。

さらに、学生たちは同日に、泊区公民館で開催された「食まつり」にも参加。岩手県内産のそば粉を使ったそば打ちを体験するとともに地元産の野菜や肉を使い、地区の婦人会が調理した料理を楽しみました。泊地区リーダーを務める杉山愛さん(政治経済学部経営学科3年次生)は、「『結の道』の大規模な工事は終わりましたが、今後は雑草の草抜きや敷設したウッドチップの補充などメンテナンスの必要もあり、住民の皆さんと活用法を考えながら取り組んでいきたいと考えています」と話していました。

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