「豆乳ヨーグルトの抗糖尿病およびAGEs生成阻害成分に関する論文が国際誌Food Bioscienceにアクセプトされました」

農学部バイオサイエンス学科(現食生命科学科)の卒業生で生物科学研究科(博士課程)1年の中島勇貴さんが筆頭著者で執筆した論文がFood Bioscience(IF=5.318)にアクセプトされました。本論文は、本学科の他研究室(食品生体調節学研究室、食品機能科学研究室)と共同研究したものになります。

現在、植物代替ミルクの活用が活発になっておりますが、豆乳を乳酸菌で発酵させた豆乳ヨーグルト(発酵豆乳)に関する研究はまだまだ少ないのが現状です。本論文では、それぞれ1,000万人いると言われている糖尿病およびその予備軍の方に豆乳ヨーグルトは適した食事となるのかを検証するために、研究室保有の様々な乳酸菌で発酵させた豆乳ヨーグルトについて、糖類分解酵素阻害、DPP-IV阻害、終末糖化産物(AGEs)生成阻害能を検証した論文です。その結果、使う乳酸菌によってその効果が変わること、それにはイソフラボンのアグリコン化能、ペプチド産生量などが関わっていることを見出しました。特に  Lactiplantibacillus plantarum TOKAI 17とLactiplantibacillus pentosus TOKAI 35はα-グルコシダーゼ阻害活性、DPP-IV阻害活性、蛍光性AGEs生成阻害活性が高く、糖尿病およびその予備軍に適した豆乳ヨーグルトスターターとなる可能性が示唆されました。

中島さんは、「本研究に取り組むにあたり、研究室のメンバーのみでなく他の研究室との共同研究によって、豆乳ヨーグルトの新規の機能性を明らかにすることができました。現在は、選抜した豆乳ヨーグルトの他の機能性についても研究を進めており、学術論文として発表していく予定です。将来的には、研究室で見出した乳酸菌や研究成果を社会に還元できるよう、社会実装も目指して研究を進めていきたいです。」とコメントしました。

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