「第40回留学生による日本語スピーチコンテスト」を開催しました

語学教育センターでは12月2日に、「第40回留学生による日本語スピーチコンテスト」を開催しました。留学生に日本語学習の成果を発表してもらおうと毎年秋学期に実施しているものです。今回は、湘南校舎11号館を拠点にオンラインでも配信し、日本語教育特別講座や学部の留学生の中から事前審査で選ばれた9名がコンテストに臨みました。

出場者は学生や教職員ら約70名を前に、日本での体験や日ごろ考えていることなどをテーマに5分以内でスピーチ。教員と学生代表者ら計4名の審査員が「言語的表現」「非言語的表現」「内容」「構成」「全体の印象」の5つの観点から評価しました。上位の3名には、審査委員長を務めた本センターの加藤好崇教授から賞状が手渡されました。

1位に選ばれた韓国出身のイ ジンギュさん(文学部文明学科2年次生)は、「多文化共生を願う」と題して発表。日本に住み始めて半年間、うまくコミュニケーションが取れず友人がつくれずにいた経験を話し、「孤独な1人の時間を過ごす中で、世の中の人が他者への理解を示し、多文化共生することができれば孤立する人がいなくなるのではと考えました。日本には『よそ者』という言葉がありますが、外国人がいくらその国の言葉や文化を理解してもよそ者なのでしょうか。他国の人から見れば許容できないこともあるかと思いますが、相手やその価値観を受け入れていくことが大切です。金子みすゞの詩に出てくる『みんなちがって、みんないい』という言葉がいつか現実のものになることを願っています」とまとめました。

また、韓国の徴兵制度で兵役に服しており、今年度より復学したイさんは、「日本語から約2年間離れていたので、今の自分にどのくらい日本語の語学力あるのか試そうとエントリーしました。うまく話せるか不安もありましたが、発表後の拍手や表彰していただいたことで自信がつきました。今後は、言葉に詰まってしまうことがなくなるように、日本人学生や先生と積極的にコミュニケーションを取って学びを深めていきたい」と意欲を見せていました。

【表彰結果】 
最優秀賞「多文化共生を願う」
イ ジンギュさん(韓国/文学部文明学科2年次生)

優秀賞「うつ病の認知療法」
イワノワ タチアナさん(ロシア/ロシア極東連邦大学・日本語教育特別講座)

審査員特別賞「少しの手間が大きな共感に」
キム ソヒョンさん(韓国/漢陽大学・日本語教育特別講座)

その他登壇者とスピーチテーマは下記のとおりです。

◇「人間の忘れ物」 
ヴィンセント ダッレンさん(インドネシア/建築都市学部土木工学科1年次生)

◇「趣味を持つべき理由」
ベク ソヨンさん(韓国/漢洋大学・日本語教育特別講座)

◇「『大切な人』の意味」
スコロボガトワ アナスタシアさん(ロシア/ロシア極東連邦大学・ポスト国際展開力)

◇「私は弁当男子」
リク キンキさん (中国/政治経済学部政治学科2年次生)

◇「山登り」
ホイゴード ベンジャミン ウスタウさん(デンマーク/コペンハーゲン大学・日本語教育特別講座)

◇「メンタルヘルス」
クシリャンスカヤ エカテリーナさん(ロシア/ロシア国立研究大学高等経済学院・ポスト国際展開力)