2020年度の科学研究費採択で保持率1位の情報理工学部と増加率1位の農学部を表彰しました

東海大学では研究者および大学の研究力を示す重要な指標の一つとなる文部科学省の科学研究費助成事業における保持率が最も高い学部・センターを顕彰し、さらなる研究力向上につなげることを目的に昨年度から「科研費採択結果表彰」を実施しています。今年度は保持率1位の情報理工学部に加え、保持率の増加率1位となった農学部を表彰。研究推進のための環境整備などに使用できる報奨金を授与しました。 黒田学部長への授与式は、学長室で行われ、岡本学部長への授与式は、学長室の山田学長と熊本校舎の総長室の岡本学部長をTV会議システムでつなぎ、リモートで行われました。情報理工学部は科研費保持率40.0%を記録。農学部は前年度の保持率約15%から25%へと上昇しました。

情報理工学部の黒田学部長は、「受賞にあたり本学部の教員にあらためて敬意を表すとともに、科研費獲得を支援して下さっている研究推進部に深くお礼を申し上げます。獲得件数は大学の研究力を計る最も重要な指標の一つであり、この点において少しでも大学に貢献できたことをうれしく思います。しかしながら、獲得課題数では医学が圧倒的ですし、申請率、新規採択率、あるいは保持増加率においては高い数字を出している学部も多いです。この度の保持率で一喜一憂することなく、これから先も他学部と切磋琢磨し、大学全体として常に高い保持率・獲得率を維持することが肝要と考えています。そのためには教員の研究時間の安定確保が何よりも重要です。昨年度末から新型コロナウイルス感染予防のため、研究・教育に多大な影響が生じていますが、逆にこの間に培った遠隔授業・遠隔会議などの情報技術活用の知識と経験をテコにして研究推進に努め、大学全体の研究力を大いに増強していきたいと思います」と語りました。

また、農学部の岡本学部長は、「農学部のここ10年間の平均保持率は28%で、特に2013〜14年度では40%を超えていました。しかし16年に発生した熊本地震の影響もあり大きく低下していました。研究環境がまだ十分とは言えない中、新規獲得件数が増えていることは、それぞれの先生が研究促進への高い意識を持ち、科研費獲得の社会的意義を強く感じて努力を重ねてこられた成果といえるでしょう。また、研究推進部で企画されている採択アッププロジェクトの支援もありがたいです。この表彰を足がかりに新生農学部としての飛躍につながればと期待しています。また、23年度に開設予定の臨空校舎を舞台にした胸躍るようなユニークな研究デザインを推し進め、その結果として科研費獲得数のさらなる向上に結びつけられればと思います。組織としては22年度から各学科で分野を踏まえたユニット体制を構築し、3名程度の教員がそれぞれ適度な連携をもって教育研究に当たることを想定しています。科研費申請でもそのユニットを活用することで、よりよい計画の立案につなげたいと思います」と話しています。