「第3回コンテンツと法シンポジウム」を開催しました

東海大学総合社会科学研究所と創造科学技術研究機構が10月19日にアルカディア市ヶ谷(東京都千代田区)で、「第3回コンテンツと法シンポジウム」を開催しました。今回は、第2回に続いて日本知財学会コンテンツマネジメント分科会との共催により、「諸外国におけるサイトブロッキング法制Ⅱ」をテーマに実施。同分野の専門家による講演やパネルディカッションを行い、大学の研究者や法律関係者、映画・CD・テレビ番組などの制作会社や出版社の著作権担当者、報道関係者ら多数が参加しました。

はじめに本研究所の角田政芳所長が登壇。「日本でも、アニメや漫画、ゲームソフトなどを違法コピーした海賊版サイトによる被害が甚大になっています。こうしたサイトへの接続をインターネットサービスプロバイダ(ISP)が強制的に遮断するサイトブロッキング(SB)の導入は大きな課題です。講演や意見交換を通して、解決策を見出していきたいと思います」とあいさつしました。

フンボルト大学名誉教授で弁護士のヤン・ベルント・ノルデマン氏は、「ドイツ サイトブロッキングへの道のりとその解決策」をテーマに講演。ドイツにおけるSB導入の経緯やSBを行使した際のISPの責任の明確化、SBが認められた判決などについて解説しました。アメリカ映画協会の海外代理団体であるモーション・ピクチャー・アソシエーション(MPA)ヴァイスプレジデントのマイケル・シュレシンジャー氏は、「サイトブロッキング法制の原則と真実の検証」と題して、諸外国のSB関連法や判例を紹介。「SBは、各国がオンラインによる著作権侵害と闘い、オンライン上での知的財産権保護の支援環境をつくるための最善策」と述べ、日本でも法制化すべき理由を具体的な根拠を示しながら説明しました。

続いて、角田所長がモデレーターを務め、講演者2名が登壇してパネルディスカッションを実施。SBの法的根拠や憲法上の問題、日本においてSBを法制化するための課題などについて意見を交わしました。最後に、日本知財学会理事で株式会社小学館取締役の久保雅一氏が、「何よりも大切なのは、アニメや漫画などのクリエーターを尊重することです。今後もSBの導入に向けて、さらに議論を進めたい」と締めくくりました。

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