“ウェルビーイング”を学ぶフィールドワーク in デンマークを行いました

健康学部健康マネジメント学科では8月25日から9月3日まで、デンマーク研修を実施しました。本学科2年次生以上が履修可能な選択科目「フィールドワークC」は、デンマークにおける健康を総合的に学ぶという視点から、国際的な経験を通して自ら考える行動する力を育成することを目指すものです。今年度が2回目の実施となり、市川享子准教授と遠藤慎也助教が引率し、2、3年次生6名が参加しました。

春から始まった事前学習では、学生たちが研修の到達目標を決め、現地での調査内容や質問事項を日本語と英語でまとめてきました。8月26日にコペンハーゲンに到着した一行は、東海大学ヨーロッパ学術センター(TUEC)を拠点とし、最新のテクノロジーを活用して自律した支援を目指すリハビリテーションセンター、重度の認知症患者を受け入れるケア施設、福祉国家を支えるシステムのひとつであるコペンハーゲン市のジョブセンター、気候変動対策を担う自転車政策課、有機野菜の栽培に取り組むオーガニックファームを訪れました。郊外での移動ではレンタルバイクを利用し、頭と身体を通してデンマークの幸福度の高さを支える仕組みを学びました。また、本学の教育理念の原点でもあるフォルケホイスコーレ(国民高等学校)のほか、コペンハーゲン大学、本学部と学術交流協定を締結するVIAユニバーシティカレッジを訪れ、両大学の教員や学生と研究成果を発表し合ったり、学生同士の交流を深めました。また、研修最終日には、VIAユニバーシティカレッジにて、学生一人ひとりが研修を通して得た学びについて、英語でスピーチしました。

帰国後、研修に参加した学生たちは、9月25日に健康学部の学生や教員に対して報告会を行い、デンマークでウェルビーイングがどのように形成されているか、研修を通しての学びを発表しました。学生たちは、「デンマークではユーザーを中心のまちづくりがなされ、自転車で通勤する人も5割を超えています。環境にやさしいサステナブルな生活を継続することが健康対策の一つにもなっています」「デンマークではまずは家庭医に相談し、重症患者はそこから専門医を紹介してもらう制度です。電子化された医療カルテ、患者や異なる機関の医師間でスムーズに共有され、効率的に医療が提供されています」「デンマークの学生たちが、問題を解決するために発言し行動すること積極的に行うことに影響を受けました。私たちも自分たちの権利を自覚し行動していきたいです」「福祉現場などでは、労働者への負担をできるだけ減らした働き方がなされています。こうした工夫が幸福度の高さにつながっていると強く感じました」と語りました。

引率した遠藤助教は、「講義中心だった昨年度の内容に加え、自転車で街を移動する経験を通じて、デンマークの文化や人の温かさなど多くのことを学んだのではないでしょうか。教員にとっても異分野のフィールドや研究に触れ、今後、共同研究などに発展していく可能性やワクワク感を得られました」と話していました。

なお、今回の研修で交流したVIAユニバーシティカレッジ准教授のジョンブリンクス氏を講師に招き、11月29日(水)午後5時30分からオンラインで、QOLセミナー「動的バランス制御と歩行のテスト」を開催します。本学科の遠藤助教も講演します。詳細は後日、東海大学オフィシャルサイトでお知らせしますので、ぜひご参加ください。