情報通信学部

大竹 恒平

ソーシャルメディア情報を用いた
消費者行動プロセスに関する研究

研究概要

 近年、ストレージ容量の拡大やデータ処理技術の革新により、様々な分野で大量かつ多様なデータ(ビッグデータ)が取得されるようになっています。こうしたデータ活用が最も進んでいる分野がビジネス領域です。中でも、顧客との関係を分析しながら最適戦略を講ずる、マーケティング分野におきましては、産学両者において活発な活用が期待されています。

 他方で、情報通信技術の進展を背景に、インターネット上における情報発信・共有ツールであるソーシャルメディアの利用者が急増しています。ソーシャルメディアには、例えば、消費者の興味・関心(投稿・お気に入りデータ)や、交友関係(社会的ネットワークデータ)など、消費者のライフログに基づく詳細な行動データが日々蓄積されています。これらのデータは、従来は知りえなかった、自社の顧客が有する興味・関心や消費者間の繋がりなどの要素を多分に含んでいるため、マーケティングにおける意思決定に活用することが求められています。

 このような一連の社会的な変化を背景に、私の研究室では、ソーシャルデータとマーケティングデータの双方を用いた消費者行動に関する研究に取り組んでいます。研究には、オペレーションズ・リサーチや機械学習などのデータサイエンス技法を活用しています。また、複数の民間企業との共同研究を通じて、企業の有する実データを分析に用いた、実践的な研究に取り組んでいます。

 最近は、主に以下の2 つのテーマについて取り組んでいます。

SNS・マイクロブログにおける繋がりを用いた、消費者コミュニティに関する研究

 ソーシャルメディアの中でもユーザ数が急増している、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)やマイクロブログに着目し、ユーザの繋がり(友達やフォロー)情報を用いた、自社製品やブランドに興味を有する消費者の集合体(消費者コミュニティ)の特定に取り組んでいます。具体的には、Instagram やTwitter、Facebook といったサービスを対象に、消費者の繋がり方(ネットワーク構造)に関する社会ネットワーク分析や、投稿内容やプロフィールを対象とした自然言語処理解析などを通じ、消費者コミュニティの特定を試みています。

ソーシャルメディア上の情報伝播・情報拡散に関する研究

 ソーシャルメディアは、従来型のメディアに比べて、情報の伝達速度が速く、情報の到達範囲が広い、という特徴を持っています。具体的には、ある情報が投稿された際に、他者に対して伝達されていくプロセス(数理モデリング)や、自然言語処理解析を用いた、短期間で急激に他のユーザへ拡散される投稿の特徴分析などに取り組んでいます。

TOPICS

学生の選んだ「いい授業」に選ばれました
建学祭での1枚(学生たちが研究紹介をして優秀賞を獲得)

夢ナビ×東海大学(講義ビデオを視聴できます)