高齢者ケア・看護クオリティマネジメント研究会が「看護学の新機軸の創成~看護理工学~」をテーマに講演会を開催しました

2017年05月10日

大学院健康科学研究科看護学専攻の真下綾子准教授が中心となって立ち上げた「高齢者ケア・看護クオリティマネジメント研究会」が、4月24日に伊勢原キャンパスで第1回講演会を開催しました。本研究会は、高齢者ケアについての新しい知見や、医療・看護の質を向上させるためのマネジメントなどに関する最新の研究を広め、社会に貢献することを目的としています。今回は、東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻で老年看護学・創傷看護学を専門としている真田弘美教授が、「看護学の新機軸の創成~看護理工学~」と題して講演し、本学科の教員や大学院生をはじめ、医学部付属病院の看護師や医師、近隣の社会福祉施設の職員ら約100名が聴講しました。

真田教授は、「完全な治癒が困難な疾患や障害を持つ人々に"我慢をさせない療養生活"を提供するために求められているのが、看護学と医学、工学、理学が連携し、看護の視点を取り入れた新たな医療機器を研究開発する看護理工学」と説明し、その一例として、超音波検査機器を用いた褥瘡のデブリードメント(壊死組織を出血しない程度に除去する処置)に関する研究の経緯を紹介しました。その中で、「看護師による褥瘡ケアが患部の悪化を防ぎ、患者の身体的負担軽減や医療費の削減につながった。政策研究においては具体的で客観的な成果を提示し、評価を定着させることも大切である」と指摘しました。

また、同種の機器を聴診器のように使うことで、静脈注射に最適な血管の特定や誤嚥の有無の確認を可能にする「エコー・プロジェクト」の研究成果を提示し、患者のニーズの抽出から病態メカニズムの解明、新たな技術・機器の開発を経て臨床へとつなぐトランスレーショナルリサーチ(橋渡し研究)の手法についても解説しました。最後に、「ロボットは24時間365日、人が対応できない仕事をしてくれます。ロボティクスやAI(人工知能)を恐れずに積極的に活用してください。そして、技術革新による変化を受け入れるだけでなく、変化をおこす看護師になってほしいと思います」と語りました。

講演終了後にあいさつに立った真下准教授は、「看護の臨床現場においてこそ研究の重要性を再認識し、よりよいケアに向けて、情熱を持って研究を実践してほしい」と結びました。

参加者からは、「日々、患者さんと接する看護師だからこそ発案できる技術があると気づきました。今後は、看護理工学の考え方を念頭に、患者さんのケアや看護の研究を進めていきたい」「高齢化が加速する中、明るい未来が見えてくる内容でした。今後も最新の看護研究について学べる講演会を開いてほしい」などの感想が聞かれました。

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