第2回「がん治療の最前線」講習会を開催しました

大学院医学研究科では1月9日に伊勢原キャンパスで、第2回「がん治療の最前線」講習会を開催しました。本学は文部科学省「がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン」の採択を受け、慶應義塾大学を中心とした9大学とともに「高度がん医療開発を先導する専門家の養成」に取り組んでいます。この講習会はその一環として、医療従事者に最新のがん治療について知ってもらおうと実施したものです。当日は、手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」の説明と操作体験、放射線治療に関する講義や治療設備の見学を行い、医師や看護師、保健師のほか、ロボット工学、精密医療機器を研究する工学部の教員や学生、医学物理士を目指す理学部の学生ら約20名が参加しました。

はじめに小林広幸医学研究科長が登壇し、講習会の趣旨を説明。「今回は、がん治療の最重要課題の一つである低侵襲医療に焦点を当てました。手術ロボットの操作や放射線治療室の見学などを通じて、体に負担の少ない最新のがん治療に関する知識を深めてください」とあいさつしました。続いて参加者は、医学部付属病院の中央手術室に移動。「ダ・ヴィンチ」を使った泌尿器科腹腔鏡手術の第一人者である寺地敏郎教授からロボット支援腹腔鏡手術の意義や概要について説明を受けた後、実機とシミュレーター機で操作を体験しました。

また放射線治療科学の国枝悦夫教授が、「最近の放射線治療の話題―重粒子線治療、短期治療」をテーマに講演。現在の放射線治療は、照射する部位を限局して高線量を投与することで照射回数を減らし、患者の負担を軽減していることを説明しました。さらに、がん細胞を死滅させる力が強く、超短期での治療が可能な重粒子線治療についても紹介。日本は欧米と比較して放射線治療を受けるがん患者が少ないものの、年々増加傾向にあることなどを説明しました。最後に国枝教授の案内で病院内の放射線治療室を見学しました。

参加者からは、「実際にダ・ヴィンチを操作する貴重な機会をいただきました。医師が訓練を積み、非常に高度なスキルを身につけて手術に臨んでいることをあらためて認識しました」「現在注目されている重粒子線による治療など、最先端のがん治療について学ぶことができました。医療従事者として、こうした知識は不可欠。ぜひ講習会を続けてほしい」などの感想が聞かれました。

医hp報「がん治療の最前線講習会」 (1).jpg

医hp報「がん治療の最前線講習会」 (2).jpg

医hp報「がん治療の最前線講習会」 (3).jpg

医hp報「がん治療の最前線講習会」 (4).jpg