平成24年度 私立大学戦略的研究基盤形成支援事業

文部科学省の平成24年度「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」に、医学部医学科の安藤潔教授が研究代表者を務める研究プロジェクト「がん幹細胞ニッチを標的とした新規治療法の開発」が採択されました。

「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」について

わが国の科学技術の進展に寄与することを目的に、私立大学が各大学の経営戦略に基づいて行う研究基盤の形成を支援するため、研究プロジェクトに対して重点的かつ総合的に補助を行う事業です。各大学が最先端の研究や地域に根差した研究などの観点から研究プロジェクトを計画・申請し、文部科学省が審査の上で選定を行い、当該プロジェクトを遂行するための研究拠点に対して、研究施設・設備整備費や研究費を一体的に補助します。申請区分は「研究拠点を形成する研究」(期間は原則5年)と「大学の特色を活かした研究」(原則3年)、「地域に根差した研究」(同)があります。

東海大学の採択事業

「がん幹細胞ニッチを標的とした新規治療法の開発」

  • 代表研究者=安藤潔教授(医学部医学科)
  • 申請区分=「研究拠点を形成する研究」

    研究期間=5年

研究目的・意義

がんは日本人の死亡原因の第1位であり、その撲滅は国民の悲願です。一部の腫瘍は近年の分子標的薬の開発により予後の改善が認められていますが、多くの進行がんは有効な治療法がなく治療法の開発が望まれています。がんの維持と進展にはがん幹細胞およびそのニッチが重要な役割を果たしていることが明らかとなってきましたが、本学にはこの分野で先進的かつ独創性の高い研究を推進している複数のグループが存在しています。本研究計画においては、これらのグループを統合して「がん幹細胞ニッチを標的とした新規治療法の開発」を集約的に行うと共に、若手がん研究者の育成に努めます。

研究計画・研究方法

(1)研究体制

学内のがん研究、幹細胞ニッチ、血管新生の専門家を集約した「がん幹細胞ニッチ研究センター」を新設し、研究および若手研究者の育成拠点とします。造血腫瘍、乳癌骨転移など5つの研究テーマに取り組むグループを構成し、相互に連絡を取りながら全体の研究計画を遂行します。グループには医学部内の研究者、大学院生、奨励研究員らが参画するほか、国内外のグループとの共同研究も促進します。研究進捗状況は毎月の進捗報告会で議論され、評価指標の達成度を確認。研究計画の倫理的側面および各種指針の遵守に関しては、学内の各種委員会の承認を得て遂行されます。なお、研究結果の評価は外部委員により評価を受け、必要に応じ研究方針を修正します。

(2)年次計画

プロジェクト開始後3年までは新規治療法の基礎研究に取り組んだ後、有望な治療法については4、5年目で前臨床試験を行います。最終年度には臨床開発可能なものを判断し、医師または企業による臨床開発に結びつく成果を目指します。

研究により期待される効果

本研究により、がんの発症、進行、再発の機構を明らかにし、より効果的な分子標的薬やペプチドワクチンの開発を行います。本プロジェクトの特色は、がん幹細胞研究をマウス実験レベルで留めることなく、ヒト検体を用いた解析を主眼としていることです。その成果は基礎研究と臨床応用とを密接に結びつけ、がん撲滅を目指した国民の悲願達成に寄与できます。また、文科省が推進してきた「がんプロフェッショナル養成プロジェクト」で育成された若手がん研究者のための研究・教育拠点を形成するものとなり、広く国内外の若手研究者の育成に貢献します。

研究成果報告書

がん幹細胞ニッチを標的とした新規治療法の開発(PDF:31MB)PDFファイルを開きます

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