東海大学教育研究者行動方針

東海大学教育および研究に携わる者の行動指針

東海大学は、建学の精神に則り、高度な科学技術の深奥を究め、地球環境を守りながら世界の平和と人類の幸福をもたらす教育および研究を展開している。その中にあって、本学の構成員には、学問の自由と学術研究の重要性に鑑み、社会に対する重い責任と自己の行動に対する厳しい倫理規範が求められている。本指針は、本学の教職員で本学において教育および研究に携わる者の倫理規範を示したものである。

  1. 教育・研究者の責任
    教育・研究者は、自ら生み出す専門知識や技術の質を担保する責任を有し、さらに自らの専門的知識、技術、経験を活かして、真理の探求、学問の教授、社会の安全と安寧、人類の健康と福祉、そして環境の保全に対する責任を有することを自覚する。
  2. 教育・研究者の行動
    教育・研究者は、研究の自律性が社会からの信頼と負託の上に成り立つことを自覚し、常に誠実に判断し、行動する。また、研究によって生み出される知の正確さや正当性を、科学的かつ客観的に示す最善の努力をすると共に、自らの専門領域における相互評価に積極的に関与する。
  3. 自己の研鑽
    教育・研究者は自らの専門知識・能力などの維持向上に努めると共に、科学技術と社会・自然環境の関係を広い視野から理解できるように常に努力し、最善の判断と姿勢を示す。
  4. 説明と公開
    教育・研究者は、自ら携わる教育・研究の意義と役割を公開して説明する責任を有することを自覚する。
  5. 情報の適正な取り扱い
    教育・研究者は、教育・研究の立案・申請・実施・報告などにおいて、本指針に基づいて行動すると共に、資料、情報、データ等を厳正に取り扱う。また、自らねつ造、改ざん、盗用などの不正行為を行わない。
  6. 法令等の遵守
    教育・研究者は、教育・研究の実施、研究費の使用等にあたっては、法令ならびに関係規則および本学の規程を遵守する。
  7. 教育・研究対象などへの配慮
    教育・研究者は、教育・研究への協力者の人格、人権を尊重し、福利に配慮する。動物などに対しては、真摯な態度でこれを扱う。
  8. 他者との適正な関係
    教育・研究者は、他者の成果を適切に批判すると同時に、自らの教育・研究に対する批判には謙虚に耳を傾け、誠実な態度で意見を交える。他者の知的成果などの業績を正当に評価し、名誉や知的財産権を尊重する。
  9. 人権侵害・差別の排除
    教育・研究者は、研究・教育において、性、地位、思想・宗教、人種などによって個人を差別せず、人権侵害を排除し、科学的方法に基づき公平に対応して、個人の自由と人格を尊重する。
  10. 教育・研究環境の確立
    教育・研究者は、責任ある研究を行うことのできる公正な環境の確立・維持も自らの重要な責務であることを自覚し、本学の教育・研究環境の質的向上に関する取り組みに積極的に参加する。
  11. 利益相反への配慮
    教育・研究者は、自らの研究、審査、評価、判断などにおいて、個人と組織、あるいは異なる組織間の利益の相反に十分に注意を払い、適切に対応する。

東海大学 学長

(本行動指針は、日本学術会議「科学者の行動規範について(2006)」に準じて2007年3月1日に作成されたものです。)