マイクロ・ナノ研究開発センター国際シンポジウム2017を実施しました

マイクロ・ナノ研究開発センター国際シンポジウム2017を、8月26、27日に湘南キャンパスで実施しました。本センターは、厚さ100nm以下の超分子高薄膜を創成する独自技術を生かし、新たな機能性薄膜の開発や医療分野への応用につなげることを目指す本学の付置研究所です。文部科学省の平成26年度私立大学戦略的研究基盤形成支援事業の採択を受けたプロジェクト「高分子超薄膜から創成する次世代医用技術」(研究代表者=理学部物理学科・喜多理王教授)に基づいて活動しています。本国際シンポジウムは、これまでの成果を広く発信し、さらなる研究の進展や共同研究につなげることを目的に開いたもので、約250名が参加しました。

26日に実施した講演会の開会にあたっては、山田清志学長が「本センターはこれまで着実な成果を上げており、その良い点をさらに強化し、人々の生活に生かしていきたいと考えています。有意義な意見交換の機会になることを期待しています」とあいさつ。続く招待講演では、コロイド理論の世界的な権威であるドイツ・ユーリッヒ総合研究機構のヤン・ドント教授が、ソフトマテリアルの変形と流動に関する現象を物理学的に研究する理論の基礎やメカニズムについて最新の研究成果を交えて紹介。また、電気通信大学のサンドゥー・アダルシュ教授が磁性粒子と超薄膜を用いた医療診断技術の研究について語りました。また、本センター所属の岡村陽介准教授(工学部応用化学科)が、現在取り組んでいる高分子超薄膜の大量生産プロセスや生体細胞の3次元観察を可能にする新規超薄膜の研究について紹介し、木村啓志准教授(工学部機械工学科)が、動物実験に頼らずにナノシートや薬剤の効果を確認する疾患モデルの研究について講演しました。

27日には、学生や研究者による研究発表会を実施。ショートプレゼンテーションでは、学生たちが英語で自らの研究内容やこれまでの成果を紹介し、その後のポスターセッションでは来場者とディスカッションしました。参加者からは、「センターが取り組んでいる研究成果への理解が深まり、さらに期待が高まった」「ポスターセッションが和やかな雰囲気で行われていたので、参加しやすかった。英語での発表は準備が大変でしたが、今後国際会議などに参加する前に貴重な経験を積むことができました」「同じような分析装置を使いながら、異なる分野に取り組んでいる研究もあり、分析機器の可能性や研究領域の幅広さを実感する良い機会になりました。そうした広い視野を持ちながら研究を行うことの大切さをあらためて実感しました」といった声が聞かれました。

なお、終了後には研究発表会参加者の中から、新規性の高い成果を収め、優れた発表を行った学生にポスター賞が授与されました。授与式では、稲津敏行センター所長から学生らに表彰状と(株)ニコンインステック提供の副賞が贈られました。
受賞者(ポスター番号順)
Up-conversion Luminescence Properties of Various Host Crystals and Relationship of the Crystal Structure
(総合理工学研究科総合理工学専攻博士課程2年次生 田村紗也佳さん)
Fabrication and Evaluation of Polysaccharide Nanosheets Carrying Cyclic Oligosaccharides
(工学研究科応用理化学専攻修士課程1年次生 土屋笙子さん)
Aerodynamic Characteristics and Flow Field of Delta Wings with the Canard
(工学研究科機械工学専攻修士課程1年次生 望月沙康さん)
Live cell imaging analysis of floating cells using ultra-thin polymer film
(大阪大学理学研究科化学専攻2年次生 波多野佳奈枝さん)
Development of Liquid Component Separation Device based on Thermophoresis Effect
(工学研究科機械工学専攻2年次生 宮本隼佑さん)

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