マトリックス医学生物学センターが本格的な実験施設の運用を開始しました

伊勢原キャンパスにある「大学院医学研究科マトリックス医学生物学センター」では、このほど最新の研究機器を導入し、本格的な実験施設の運用を開始しました。本センターは、がんや肝硬変など多くの内臓の病気の発病や進行にかかわる細胞外マトリックス(コラーゲンやヒアルロン酸など、細胞同士をつなぐ物質)の蓄積によって生じる臓器の「線維化」のメカニズムを解明し、診断マーカーや治療薬の開発につなげることを目指して2014年に開設。日本で唯一の細胞外マトリックスに特化した研究拠点として、学内外から注目されています。

今回、私立大学戦略的研究基盤形成支援事業の補助を受けて新たに導入したのは、細胞を安定した環境下で培養しながら観察できる「生細胞イメージングシステム」と、動物の肺機能を測定する「小動物用呼吸機能解析装置」の2機器です。これらに加え、昨年度には、本キャンパス内にある生命科学統合支援センター動物実験室に設置済みの「生体イメージングシステム」(動物の腫瘍などの状態を生きたままで外部から観察できる機器)をグレードアップしました。センター長の稲垣豊教授は、「研究の中核となる3つの機器が整いました。これらを組み合わせることで、細胞外マトリックスが引き起こす線維化の状態や薬剤による治療効果を、より正確で効率的に観察できるようになります」と説明します。

実験機器はセンターの研究者以外にも広く開放しており、9月29日に実施した新規導入機器の操作説明会には多くの研究者や医師らが参加しました。稲垣教授は、「さまざまな臓器の線維症を系統的に研究し、診断・治療法の開発をスピーディーに進めるためには基礎研究者と臨床医による共同研究が不可欠です。工学部や東海大学マイクロ・ナノ研究開発センターの研究者らとの連携もこれまで以上に促進し、研究開発を加速させたい」と話しています。

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