ライトパワープロジェクトの人力飛行機チームが乾電池だけを使った有人飛行 のギネス世界記録チャレンジに挑みました

東海大学チャレンジセンター・ライトパワープロジェクトの人力飛行機チーム(TUMPA)が11月6日、滋賀県の琵琶湖でパナソニック単3形乾電池「エボルタ」を動力に用いた電気飛行機による世界最長距離の有人飛行のギネス世界記録を目指す「エボルタチャレンジ2016」に挑戦。午前6時37分に離陸しましたが、3531m地点で着水し、今回の記録達成はなりませんでした。

このチャレンジは、TUMPAが製作した機体で琵琶湖上を10km以上飛行し、「一次電池(乾電池)で固定翼飛行機が飛んだ最長距離」のギネス世界記録の取得を目指したものです。TUMPAは日ごろ、夏に開催される鳥人間コンテストへの出場を目指して活動しており、今年40周年の節目を迎えました。学生たちは6月から設計を開始。これまで人力飛行機で培ってきた技術を生かしつつ、効率および安定性が高い機体を製作。これに乾電池エボルタ640本と電気モーターを組み合わせて電気飛行機とし、10月からは毎週末にテストフライトを重ねてきました。

6日当日、学生たちは未明から機体の組立作業を開始。機体の最終整備を進め、5時過ぎにはギネス認定委員および電気技術者による最終チェックも終えてフライトの準備を完了させました。5時半からは、セレモニーも実施。多くの報道陣と市民らが見守る中、チームリーダーの東海林聡史さん(工学部動力機械工学科3年次生)とパイロットの鷹栖啓将さん(工学部航空宇宙学科3年次生)がチャレンジへの決意を語りました。その後、6時21分の日の出を待って、鷹栖さんがコックピットに乗り込みチャレンジを開始。最も難易度が高いとされていた離陸に見事成功しました。その後も、乾電池エボルタは快調に電力を供給し、安定した水平飛行を続けました。しかしながら、予期せぬ突風で右主翼がねじれ、折れたことでバランスを失い着水いたしました。

チーム監督の福田紘大准教授(工学部航空宇宙学科)はフライト後、「学生たちは約半年間にわたって力を結集し、頑張ってきました。今回の経験は、大きな財産になったと思います」とコメント。チームリーダーの東海林聡史さん(工学部動力機械工学科3年次生)は、「多くの皆さんの期待に応えられず申し訳ない気持ちでいっぱいです。しかし今日飛び立てたことは、チームの歴史の中でも大きな価値になると考えています。こうした機会をつくってくれた多くの方々、応援してくれた皆さんに心から感謝します。10km飛び続けられなかったのは、今のチームの力がここまでだったのだとも思いますが、今はあきらめたくないという気持ちでいっぱいです。もう一度チャンスがいただけるなら、ぜひ何らかの形で 再挑戦したい」とコメントしました。

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