語学教育センター留学生支援教育学系では、12月12日に湘南キャンパスで「第43回留学生による日本語スピーチコンテスト」を開催しました。本学には現在、43カ国・2360名の留学生が在学しており、このコンテストは、留学生に日本語で日ごろ考えていることや感じていることを発表してもらう目的で毎年秋学期に実施しています。今回は、事前審査で選ばれた9名がコンテストに臨みました(1名が欠席し8名が参加)。
当日は、学生や教職員ら約50名が聴講しました。出場者はそれぞれにテーマを設定し、5分以内で発表。審査委員長は本センターの田口香奈恵教授(留学生支援教育学系)、審査員はチャールズ・コワルスキー准教授(英語教育学系・主任)、学生代表として宇納百恵さん(大学院文学研究科日本文学専攻日本語教育学コース博士課程前期2年次生)、原琴菜さん(国際学部国際学科4年次生)が務めました。審査は「言語的表現」「非言語的表現」「内容」「構成」「全体の印象」の5つの観点に加え、日本語の上手さのみならず内容の深さや全体の印象も大きなポイントとして評価されました。

審査の結果、最優秀賞に選ばれたのは、「チャンスは貯金できないよ」をテーマにスピーチしたインドネシア出身のヴィンセント・ダッレンさん(建築都市学部土木工学科4年次生)です。ダッレンさんは冒頭、「貯金はいいことですか、それとも悪いことですか?」と問いかけ、「必ずしも貯金はいいとは限りません。貯金は悪いときもあります」と意表を突く言葉で聴衆を引き付けました。自身が1年次生のときに思い立った沖縄訪問を先延ばしにしているうちに4年次生になり、研究に明け暮れる中で未だに実現していないと振り返り、「チャンスを貯金してしまったら、いつか引き出す時には後悔しかない。一期一会を意識して、自分にとって貴重なチャンスが訪れたら、貯金せずにすぐ使ってください」と終始、軽妙な語り口でスピーチしました。
優秀賞には「蘭学が広げた私の世界」と題してスピーチした韓国出身のオ・ジスさん(協定留学生・漢陽大学)と、「偏見をこえて:わさびが教えてくれたこと」と題してスピーチした韓国出身のファン・ユビンさん(協定留学生・国民大学)が受賞しました。最後に、審査委員長を務めた田口教授から講評があり、語学教育センター長の宮崎啓教授から受賞者3名に賞状が、参加者全員に参加賞が手渡されました。
【表彰結果】
最優秀賞「チャンスは貯金できないよ」 ヴィンセント・ダッレンさん(インドネシア/建築都市学部土木工学科4年次生)
優秀賞「蘭学が広げた私の世界」 オ・ジスさん(韓国/協定留学生・漢陽大学)
優秀賞「偏見をこえて:わさびが教えてくれたこと」 ファン・ユビンさん(韓国/協定留学生・国民大学)
(以下、発表順)
努力賞「不安は自由のめまい」 チン・キョウさん(中国/理学部物理学科2年次生)
同「時は金なり、一寸の光陰、軽んずべからず」 メイ・ミャッ・ノーさん(ミャンマー/政治経済学部経済学科1年次生)
同「AIは人間の代わりになれるのか?」 フィリアコヴァ・クセニヤさん(ロシア/協定留学生・ロシア国立研究大学経済高等学院)
同「心の支えになる言葉の力」 ヨウ・シショウさん(中国/文化社会学部心理社会学科3年次生)
同「失敗は成功のもと」 エイン・シームーさん(ミャンマー/経営学部経営学科1年次生)








